中国科学院青蔵高原(チベット高原)研究所の方小敏院士(アカデミー会員)のチームは、青蔵高原にある倫坡拉盆地で科学掘削を行っており、その掘削深度が750メートルに達し、同高原の環境科学掘削記録を更新した。科技日報が伝えた。
倫坡拉盆地は青蔵高原中部に位置し、平均標高は4600メートル。5500万年前からの連続的な新生代地層が眠っている。そのため青蔵高原の構造や気候、生物などの変化の歴史を研究する上で、最も重要な地域の一つとなっている。
研究チームは今後、古気候や古生物、古生態環境、構造、沈積、地球化学などの学際的分析手段を融合し、約4000万年前から青蔵高原に吹き込んでいるアジアの季節風の歴史を明らかにする。また世界的な気候変動による影響のシミュレーション・予測、青蔵高原の生態環境保護、高原油ガス資源の調査・開発などに科学的根拠を提供する。
