中国湖北省科学技術庁によると、同省でこのほど、ウェアラブルヘルメット型のオールデジタルPET(陽電子放出断層撮影)が開発された。科技日報が伝えた。
PETはアルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)といった神経変性疾患の早期画像診断を可能にする。しかし、既存の臨床PETは高額で、中には感度や適応性、分解能の問題があり、高性能脳イメージングの需要を満たしていないものもあった。
華中科技大学同済医学院付属同済医院と湖北鋭世デジタル医療イメージング科技有限公司の研究チームが共同開発した初のウェアラブルヘルメット型オールデジタルPETは、医療工学の学際的成果の一つだ。
このPETはMVTデジタル化サンプル採取技術をイノベーションし、検出効率を100倍高めた。「頭部と一緒に動く」というデザインは、独創的な非対称正規化補正と高周波再構築技術を結びつけ、運動しながらでも映画レベルの高画質イメージングが可能だ。
このデバイスは脳疾患の診療に用いることができ、5500万人以上のAD患者や1000万人のPD患者など多くの患者をサポートする。すでに100例のAD患者の早期診断と病状予測などに用いられており、国家3類医療機器登録証を初めて取得するヘルメット型オールデジタルPET製品になる見込みだ。