天津大学の焦魁教授のチームは、高精度数学モデリングにより、新たな燃料電池デジタル設計法を打ち出した。燃料電池の設計案を高速に作成・最適化し、電池の性能を高め、研究開発期間を短縮し、コストを削減できる。関連論文は国際的学術誌「Energy & Environmental Science」に掲載された。中国新聞網が伝えた。
研究チームは燃料電池の設計理論・方法分野で高精度シミュレーションモデルを構築し、電池構造を最適化した。そして商用燃料電池に適応する設計法を打ち出し、大型燃料電池3D+1Dシミュレーションモデルを構築した。その計算効率は従来の3Dモデルより10~20倍向上し、複数種類の電池設計案を高速に作成し、研究開発期間を短縮できる。
論文の共同責任著者で、北京億華通科技股份有限公司副総経理の李飛強博士は「水素燃料電池を例にすると、われわれがこの新しい方法で設計した燃料電池は、電気化学反応や流動抵抗分布の一致性などの指標が、現在の市場の主流製品より20%以上向上している。また、メーカーの設計・製造コストは現在の60%まで削減でき、研究開発期間は従来の3分の1に短縮できる」と説明した。
同チームが打ち出したデジタル支援設計法には汎用性があり、多くの商用燃料電池に対応し、電池の研究開発期間を効果的に短縮するとともにコストを削減し、商業化プロセスを推進することができる。この方法は、リチウム電池や電解槽など、他の電気化学装置にも拡張できるという。
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