第9回冬季アジア大会が7日、中国黒竜江省ハルビン市で開幕した。現地では中国内外の選手や観光客を迎えるため、科学技術の力が使われている。新華社が伝えた。
聖火リレーのトーチのデザインは、透明な氷と雪の結晶を組み合わせた白いグラデーション模様で、点火後に氷と炎が交わる設計を採用した。「氷の都」の活気と活力を最大限に際立たせるこのデザインは、ハルビン工程大学軽質機能材料チームが選んだ、透明で特殊な機能材料を使っている。
同大学材料科学・化学工程学院の孫高輝教授は「設計コンセプトを実現するためには、本体の材質の選択と機能の強化が極めて重要だ。透明度、耐ヒートサイクル性、難燃性などの技術要件を満たし、複雑な構造やグラデーション効果成形の実現可能性とコスト削減なども考慮した」と説明した。
カーリング競技は4日から市内のカーリング館で始まっている。平房区カーリング館運営チーム会場施設運営メンテナンスマネージャーの趙冠男氏は「カーリング館は建設にあたり、音声音響や幾何学音響、建築音響システム工学を十分に考慮した。集中型サウンドリインフォースメントシステムと分散型サウンドリインフォースメントシステムという2つの独立した音響システムを特別に設計・構築することで、会場内のエコーを除去し、クリアで均一な音響環境を実現している」と語った。
テクノロジーは大会の審判もサポートしている。ショートトラックスピードスケートでは、選手は111.12メートルのトラックを時速50キロ以上で滑走するが、人手による周回カウントのミスを避けるため、周回カウントシステムが導入された。
ハルビン体育学院の単保海教授は「チームは長年にわたり中国スピードスケート協会や中国内外の大規模大会をサポートしており、豊富な技術的蓄積がある。チームのメンバーは、今回アジア冬季競技大会ショートトラックスピードスケートに提供した周回カウントシステムとリプレイシステムに自信を持っている」と説明した。
このリプレイシステムは、競技中のすべての細部を詳細に記録できるだけでなく、革新的な「直進+追跡」2画面表示機能を導入し、審判の判定効率を大幅に高めている。単氏は、「この技術イノベーションは判定時間の短縮、正確なジャッジを行う上で重要な役割を果たしている」と述べた。
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