中国浙江省杭州市余杭区は2月25日、アリババのテレワークサービス「釘釘(DingTalk)」と共同で構築したスーパーエージェント「AI余杭」の内部テストがこのほど始まったと明らかにした。中国新聞網が伝えた。
「AI余杭」は浙江政務総合プラットフォーム「浙政釘」と深く融合したAIモデルとなる。現地では「浙政釘」上に「AI余杭」がインキュベートした初の「AI公務員」である「AI PPT」を導入した応用研修会が開催された。
余杭区は浙江省の経済面でトップに立つ区で、2024年のGDP(域内総生産)は3355億6700万元(1元=約21円)に達している。同区はまた、浙江省のデジタル経済においてもトップに立っており、現地の政務スマート新時代にイノベーションのサポートを提供している。
今回発表された「AI PPT」のユーザーとなった余杭区林業水利局の職員、劉禎義さんは「従来ならば半日か1日かけて作っていたPPT(パワーポイント)を、現在なら数分で作成できる。文字の抽出が正確で、レイアウトデザインに余杭らしさを備えている。さらに余杭OA事務プラットフォームにも直接アクセスできるため、とても便利だ」と語った。
「AI PPT」に政府の活動報告書を読み込ませると、30秒でその概要が抽出される。その後、100以上のテンプレートの中から適したものを選び、1分ほどでパワーポイント資料ができあがる。マーケティングやビジネスモデル分析など一般的なテーマのパワーポイントであれば、タイトルを入力するだけで生成することも可能だ。
パワーポイント作成は「AI余杭」にとっては「序の口」にすぎない。従来の大規模言語モデルのシンプルな応用と異なり、「AI余杭」は優れたチームのように、複雑なワークフローを調整し、オープンな統合を行うこともできる。
「AI余杭」の最大の強みは「浙政釘」や各レベル・各部門の業務システムと深くつながっている点にある。余杭区データ資源管理局ビッグデータサービスセンターの竜為超主任は「つながることで各部門は今後、自身の業務の需要に基づき、専属のAI公務員をスムーズにカスタマイズできる」と語った。
(画像提供:人民網)