2025年04月07日-04月11日
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中国初の超知能安全実験室、北京に設立

2025年04月07日

 中国で開催された中関村フォーラムで3月29日、マルチモーダル超知能安全北京市重点実験室(Beijing Key Laboratory of Super Intelligent Security of Multi-Modal Information)が公開された。同実験室は中国科学院自動化研究所を中心に、人民中科などの機関が共同で設立したもので、人民中科の首席科学者が実験室の責任者を務める。人民網が伝えた。

 マルチモーダル超知能安全研究室は、北京市が重点的に支援する基礎研究機関で、超知能分野の基礎研究を推進し、スーパー人工知能(AI)やAIセキュリティーなどの研究を行い、技術的・応用的課題を解決し、世界トップレベルの科学研究プラットフォームの構築を目指すという。

 超知能(ASI)とは、人間の知能を超える機械知能システムを指す。現在一般的な事前訓練されたAIと比べると、超知能は極めて少量のサンプルデータで自律学習ができ、人間に近い直感や法則の洞察、複雑な問題解決において大きな優位性を持ち、科学の境界と想像力を大幅に拡大する。これにより、科学研究や金融、医療などの複雑なシーンで幅広い需要がある。

 例えば、科学研究のシーンでは、超知能は学問分野の枠を超え、膨大な実験データを直接分析し、その中に隠された科学的法則や原理を発見できるという。さらに、従来の研究パラダイムが、既定の理論的枠組みや研究方法に依存している制約を打破し、破壊的な研究課題に直接取り組むことが可能になる。これにより、人間の科学的探求の範囲、規模、視点が大幅に拡大し、人間と機械の新たな協働研究パラダイムが構築され、世界の科学研究の様相が一変するとされている。

 
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