上海地下鉄全線でパブリック5G電波が開通し、21路線、517駅、896キロメートルをカバーしたことが15日、申通地鉄集団への取材で分かった。パブリック5Gネットワークを基盤に構築したプライベート5Gネットワークも同時に試験運用を開始した。中国新聞網が伝えた。
今回の開通により、80%の路線で5G-A(5G-Advanced)ネットワークへのアップグレードが実現した。実測によると、駅構内やトンネル内での平均通信速度(下り)はいずれも600Mbpsを上回り、最大速度は1Gbps以上に達する。
乗客のインターネット接続サービスが向上しただけでなく、5Gによる広帯域通信チャネルにより地下鉄列車全体の運行状態を遠隔でモニタリングでき、高い伝送速度を必要とする架線モニタリングに関する画像・動画などの重要データをリアルタイムで取得できるようになった。データマイニング・分析の高度化が進むことで、重要部品の保守体制を故障修理から予防保全へと進化させることができるという。
このほか、上海地下鉄の一部の車両基地では5G点検ロボットが導入され、5Gの高速通信チャネルを活用し、収集された車両下部の重要部品の高画質画像・動画の遠隔検査および故障識別を実現した。人手による車両下部点検作業の80%以上を置き換えることができ、精度も約98%に達しており、保守の効率と質をさらに高めている。