春の耕作シーズンを迎えた中国湖南省永州市零陵区では、野菜ハウスや農地などでスマート農業が数多く導入されている。中国新聞網が伝えた。
同区郵亭圩鎮新江村のスマート農業複合体プロジェクトのハウス内では、ステムレタスやセロリがすくすくと育ち、トマトやミニトマトがたわわに実っている。スマート給水システムから散布される水の量と範囲は、コンピューターによって均一にコントロールされている。
野菜生産拠点の責任者である艾錚錚氏は、「この拠点は敷地面積34.7ヘクタール以上で、70のスマートハウスがあり、トマトやミニトマトなどを栽培している。農作物は中国国内各地に出荷され、年間利益は1600万元(1元=約20円)以上となっている。スマートシステムを活用し、野菜畑に水道管を敷設したことで、灌漑や施肥が必要な際には、コンピューターやスマートフォンを用いた操作が可能になり、水量や肥料量をミリグラム単位で制御できるようになった。これにより、水の使用量を30%削減し、野菜の生産量も向上している」と説明した。
同鎮太平鋪村の育苗センターでは、育苗機が休むことなく稼働しており、育苗箱の設置、土の敷き詰め、散水、種まき、覆土といった工程が連続して進められている。
同センターの責任者によると、生物工学技術と現代設備の有機的な結合により育苗コストが大幅に削減された。育苗率は90%に達し、発芽率は97%以上になったという。悪天候の影響を避けることができ、育苗期間も従来の人手による作業より7日以上短縮された。
零陵区は近年、生産の機械化を区の穀物生産安全を守る重要施策と位置づけ、技術普及の強化を図るとともに、先進的な農業機械、新技術、新機具を積極的に導入し、米や野菜などの生産全工程の機械化を進めている。