2025年06月09日-06月13日
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エコ生活で「ポイ活」ができる湖北省武漢市

2025年06月13日

 中国湖北省武漢市武昌区のコンビニでは、市民の張さんが慣れた手つきでQRコードをスキャンして、地元名物の「熱乾麺(汁なし麺)」を半額で購入していた。張さんは「低炭素商城の半額クーポンを使って買った」と笑顔で話しながら、スマホのミニプログラム「武碳江湖」の記録を見せてくれた。そこには地下鉄通勤で貯めた2000カーボンポイントと朝食半額券との交換が記録されていた。人民網が伝えた。

 2023年6月、武漢市のカーボンインクルージョン総合サービスプラットフォーム「武碳江湖」が開設され、市民は「カーボンアカウント」を利用することができるようになった。例えば、路線バスに1回乗ると、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を212.5グラム削減、地下鉄に乗ると1キロごとに、78.4グラム削減、自転車に乗ると1キロごとに93.3グラム削減したとして、ポイントが加算される。低炭素ライフスタイルの行動が「カーボンインクルージョン方法論」に基づいて、温室効果ガスの削減量に換算され、個人の「カーボンアカウント」に自動で加算され、一定のポイント数に達すると、クーポンなど、さまざまなものに交換できるようになっている。

 武漢碳普恵(カーボンインクルージョン)管理有限公司の研究開発部の鄭涵さんは「グリーンライフを継続させるためには、エコアクションによって削減できた排出量を全て目に見える成果に変えなければならない」と話す。

「武碳江湖」は、市民の普段のエコアクションをしっかりと記録し、それをクーポンなどに交換できるポイントとして貯めることで、抽象的な環境保護の理念を可視化させ、市民が継続的かつ熱心に参加できるよう働きかけている。

 市民の魏さんは今年5月、累計4万5000グラムの温室効果ガス排出を削減したとして、住宅ローンの利息90元(1元=約20円)分を相殺できるとのショートメッセージを受け取った。これは、「武碳江湖」と民生銀行武漢支店が共同で打ち出したキャンペーンで、12月31日まで実施される。

 魏さんは「1000グラム削減すると、利息を2元返済できる。そんなに多くはないものの、自転車に乗る時も、地下鉄に乗る時も、お得感があってとてもうれしい」と話した。

 武漢市生態環境局は、第2陣となるカーボンインクルージョンの方法も発表しており、使わなくなった中古のスマホの売買をしたり、デリバリーを利用する際、「割り箸不要」を選んだりしても、エコアクションとして削減した温室効果ガス排出量が計算されることになっている。

 開設されてから2年間で、「武碳江湖」ではユーザー数が160万人となり、エコアクションは累計827万回に上り、温室効果ガス排出は5万1803トン削減された。

(画像提供:人民網)

 
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