中国山東省青島市西海岸新区で9日、「国連海洋科学の10年」海洋生態保護・修復成果マッチング会合が開かれ、「中国ブルーカーボン青書2025」が発表された。中国新聞網が伝えた。
青書は中国海洋大学海洋カーボンニュートラルセンターが主導し、中国内外30余りの機関から70人以上の専門家・学者を招いて共同特別研究を実施。多次元・多角的な指標やデータを用いて、中国のブルーカーボンの現状、課題、今後の発展などを分析し、地球規模の気候変動に対応するための新たなアプローチとソリューションを提示している。
青書では、過去10年以上にわたり、中国のブルーカーボン生態系による二酸化炭素吸収量が増加傾向を示しており、2035年までに二酸化炭素換算で5億トンに達し、その時点で中国が世界のブルーカーボン貢献において中心的な役割を果たすと予測している。
また、各種データも紹介しており、2025年の中国のマングローブ総面積は約303平方キロで総炭素貯蔵量が603万トン、海草藻場総面積は約265平方キロで総炭素貯蔵量が230万トン、沿岸塩性湿地総面積は約2980平方キロで総炭素貯蔵量が9155万トンになるとしている。
さらに、過去約20年間で中国の沿海における貝類・藻類養殖による炭素吸収量が増加したことも紹介。同時に、中国の海洋エネルギーも発展し、洋上風力発電の設備容量が世界1位となり、海洋1次産業と2次産業が「カーボンマイナス」を実現したとしている。
中国海洋大学の張峻峰校長は、「海洋生態保護・修復という重要分野において、当大学は海草藻場修復技術の開発から、ブルーカーボンの資源調査・算定システムの構築、さらに沿海汚染物の発生源追跡・処理技術の開発に至るまで、すべての成果において生態系・社会・経済の相乗効果を目指している」と語った。