中国科学院深海科学工程研究所の王吉亮副研究員らはこのほど、中国の複数の研究機関と共同で、南シナ海北部の瓊東南深水盆地にある活発なコールドシープ(冷泉)域のメタン漏出システムの構造的特徴と進化法則を体系的に分析した。この研究は、天然ガスハイドレートの蓄積メカニズムや深海コールドシープ活動における炭素循環メカニズムについて新たな知見をもたらすという。研究成果は国際学術誌「Earth and Planetary Science Letters」(地球と惑星科学快報)に掲載された。人民日報が伝えた。
細粒の泥質堆積物を主体とする深海浅部地層には、「泥に包まれた砂」の堆積構造がよく発達しており、これはコールドシープ活動の規則性や天然ガスハイドレート資源の探査に大きな影響を与える。しかし、その具体的なメカニズムについてはこれまで多くの未解明な点があった。
研究チームは、瓊東南深水盆地の活発なメタン漏出域で厚さ12.5メートルに達する砂層を発見し、その中に天然ガスハイドレートが豊富に含まれていることを突き止めた。研究によると、この砂層はコールドシープシステムの中で、①孔隙構造を通じて下方のガスチムニーから運ばれるメタンを捕捉し、高圧低温条件下で天然ガスハイドレートを形成・蓄積させる、②水合物の不均一な集積によって孔隙が閉塞し、「自己シールキャップ」効果が生じ、下部のガス圧力が持続的に蓄積される、③過剰な圧力が上部の泥岩キャップを突破すると、二次的な水圧破砕が引き起こされ、新たなガス通路が形成され、新たなガスの漏出サイクルが始まる-という三つの役割を果たしている。