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「中国地域科学技術イノベーション評価報告2025」発表

2025年09月29日

 中国科学技術発展戦略研究院は21日、「中国地域科学技術イノベーション評価報告2025」を発表した。同報告は2015年から公表されている。2025年の報告によると、中国の「総合科学技術イノベーション水準」は80.20ポイントで、前年より1.77ポイント上昇した。「科学技術イノベーションへの投資」「科学技術イノベーションのアウトプット」「ハイテク産業」はいずれも上昇傾向を続け、経済・社会の発展を効果的に促進している。科技日報が伝えた。

 中国科学技術発展戦略研究院党委員会の劉冬梅書記は、「上海市、北京市、江蘇省、広東省、浙江省、天津市の6省市が総合科学技術イノベーション水準で国内をリードしている。科学技術イノベーションセンターなどイノベーション拠点の波及的・牽引的作用が持続的に強まり、地域協同イノベーション発展の成果が一層顕在化しており、多層的で特色ある地域イノベーションシステムが一層整備され、新たな質の生産力の形成や科学技術強国の建設を力強く支えている」と指摘した。

「中国地域科学技術イノベーション評価報告2025」は、「科学技術イノベーション環境」「科学技術イノベーションへの投資」「科学技術イノベーションのアウトプット」「ハイテク産業」「イノベーションによる発展促進」の5つの側面から、「質の高い発展」「新たな質の生産力の育成」「科学技術強国の建設」という国の全体的要求を総合的に考慮して、評価指標システムを修正・改善している。12の2級指標と49の3級指標を設定し、全国31の省・自治区・直轄市(香港・マカオ・台湾を除く)の総合科学技術イノベーション水準を評価した。

 報告によると、近年、中国国内の科学技術イノベーションへの投資・アウトプット規模は拡大を続け、イノベーション環境は顕著に最適化され、成果は大幅に向上している。また、地域別の総合科学技術イノベーション水準のポイントに基づき、国内31地域を次の3つの階層に区分している。

【第1階層】全国平均(80.20ポイント)を上回る地域:上海市、北京市、江蘇省、広東省、浙江省、天津市。

【第2階層】全国平均を下回るが50ポイントを上回る地域:湖北省、重慶市、安徽省、陝西省、四川省など22地域。

【第3階層】50ポイント以下の地域:新疆ウイグル自治区、青海省、チベット自治区。

 注目すべきは、京津冀(北京・天津・河北)の協同イノベーション発展が強化されている点だ。北京市は総合科学技術イノベーション水準で全国2位にあり、科学技術イノベーション環境は全国首位を維持している。天津市は総合6位で、1万人当たりの科学技術論文数、1万人当たりの雇用者の特許出願数、労働生産性はいずれも全国3位だった。河北省は総合19位となっている。

 劉氏は「長江デルタ地域は日増しに我が国の科学技術イノベーションの『リーダー』となりつつあり、長江デルタ科学技術イノベーション共同体の形成が加速し、地域科学技術イノベーションの総合的実力を強化している」と指摘した。劉氏によると、上海市は総合順位が全国1位となり、GDP1万元当たりの技術国際収入と労働生産性もトップだった。江蘇省は総合順位が3位に上昇し、企業のR&D担当者が社会全体のR&D担当者に占める割合で1位だった。浙江省は総合順位が5位に上昇、安徽省は総合順位9位を維持した。

 粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア)に目を向けると、イノベーション発展の原動力は依然として強い。広東省は総合科学技術イノベーション水準で全国4位、「イノベーションによる発展促進」では全国首位、「科学技術イノベーションへの投資」では全国2位、「科学技術イノベーションのアウトプット」では全国4位だった。

 報告は、長江経済ベルトにおけるイノベーション能力の向上、黄河流域における科学技術イノベーション環境の継続的改善も紹介している。長江経済ベルトでは「国家自主イノベーションモデル区」が10カ所設立され、沿線11省・直轄市の科学技術イノベーション水準が向上した。黄河流域の9省・自治区は沿線都市の科学技術イノベーション資源の共有や、科学技術成果の地域を跨いだ実用化を共同で推進し、黄河流域の質の高い発展に原動力をもたらしており、同地域の中では陝西省が総合10位にランクインしている。

(画像提供:人民網)

 
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