2025年12月01日-12月05日
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文昌航天発射場の年間打ち上げ数が初めて2桁に

2025年12月04日

 中国文昌航天発射場で11月30日、キャリアロケット「長征7号改」が打ち上げられ、衛星「実践28号」が予定軌道に投入された。これにより、同発射場は年間打ち上げ数が初めて2桁に達した。新華社が伝えた。

 文昌航天発射場は、中国が設計・建設した宇宙発射場で、現在2つの多方向、全天候型、大型打ち上げ施設を備えている。16年に初めての宇宙打ち上げを行って以来、これまでに43回の打ち上げを実施している。年間打ち上げ数は次第に増加し、高安定性で常態化した大型低温液体ロケットの高密度打ち上げ能力を形成している。

 文昌航天発射場の王宇亮氏は、「高密度打ち上げを実現するには、ロケットが発射場に滞在する時間、つまり私たちがよく言う『ロケットの試験期間』を短縮することが非常に重要だ」と語る。

 キャリアロケット「長征7号」は、宇宙補給船「天舟」の「専用輸送機」だ。「天舟1号」の際、ロケットの試験期間は約40日だったが、「天舟2号」では期間が30日余りに短縮。「天舟4号」ではさらに約20日まで短縮した。

 現在は複数種類のロケットが並行して運用される状況にあり、発射場の技術者はミッションの合間に設備の改造や日常メンテナンスを行い、性能を安定させる必要がある。同発射場の符一行氏は、「例えば推進剤の準備については、液体酸素タンクローリーの増車と注入口の最適化によって、並行注入を実現し、効率は従来の3倍に向上した」と説明した。

 近年、文昌航天発射場は低温推進剤の大流量注入、ケロシンの液体窒素冷却などの重要技術を確立し、中大型低温液体ロケットの並列試験・打ち上げ、単一打ち上げ施設で多種類のロケットに対応するなどの難題も解決してきた。今後は、有人月面着陸、大型ロケット打ち上げ、惑星探査などのプロジェクトを担う予定で、打ち上げ数はさらに増加する見通しだ。

 
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