2025年12月08日-12月12日
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屋上太陽光発電による都市の熱波緩和研究で新たな進展

2025年12月12日

 世界温暖化と都市化の加速に伴い、極端な熱波現象が頻発し、都市のヒートアイランド現象が一段と顕著になっている。このことはエネルギー安全保障、公衆衛生、都市の持続可能性に課題を突きつけている。科技日報が伝えた。

 エネルギートランスフォーメーションと排出削減における大きな可能性から注目される屋上太陽光発電(RPVPs)だが、局所的な気候に対して冷却効果をもたらすのか、それとも温暖化効果をもたらすのかについては、学界で論争が続いている。

 中国科学院西北生態環境資源研究院の高暁清研究員のチームは、典型的な複雑な地形を持つ都市である蘭州市を対象に、熱波発生時を想定し、先進的な中規模気象モデル(WRF)に都市建築効果パラメータ化および建物エネルギー消費モデル(BEP+BEM)を組み合わせ、屋上太陽光発電の被覆率(25%、50%、75%、100%)が都市の熱環境に与える多面的影響をシミュレートした。関連成果は学術誌「太陽能(Solar Energy)」に掲載された。

 研究によると、屋上太陽光発電は昼夜を問わず都市気温を効果的に低下させ、その低下幅は0.1~0.8K(ケルビン)の範囲に及んだ。昼間の気温低下は市街地東部でより顕著で、夜間は中心部に集中した。また、太陽光発電の被覆率を高めることで都市のヒートアイランド強度(UHII)が大幅に緩和され、中でも午後(北京時間16:00~17:00)に最も効果が現れた。被覆率100%の場合、ヒートアイランド強度は最大0.71K低下した。

 この研究は、屋上太陽光発電が空気の湿度を調節し、熱波時に顕在化する「都市ドライアイランド(UDI)」効果を和らげ、都市の乾燥状態を改善することも明らかにした。特に北京時間14:00~18:00に効果が際立った。さらに、屋上太陽光発電は熱指数(HI)を下げることで人体の温熱快適性を向上させ、最も暑い時間帯である北京時間16:00~18:00には最大約0.51K低下した。また、市街地東部と南部で改善効果が大きかった。

 研究チームは、屋上太陽光発電が遮蔽効果や低熱容量といった特性により建物屋上が過剰な日射を吸収するのを防ぐことが、上述した冷却効果の主要な物理メカニズムだとしている。これにより、屋上太陽光発電は「省エネ(発電)」と「快適性向上(冷却)」を兼ね備えた効率的な都市気候緩和策となる。

 研究成果は、複雑な地形を持つ都市における屋上太陽光発電の熱波緩和効果とメカニズムを明らかにし、乾燥・半乾燥地域の都市の持続可能な発展に新たな科学的視点を提供するとともに、より広範な地域の都市計画やエネルギー政策に科学的根拠を提供している。

西北生態環境資源研究院(中国科学院傘下の研究所)
 
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