首都医科大学附属北京同仁医院院長の袁進教授率いる研究チームがこのほど、次世代の眼科用「バイオ接着剤」研究で重要な進展を得た。従来の眼科手術で用いられてきた縫合糸によるリスクの解消が期待されるとともに、同種材料を研究室から臨床応用へと移行させるための明確な道筋を示している。関連研究論文は国際学術誌「Bioactive Materials」に掲載された。新華網が伝えた。
袁氏は、「眼科用『バイオ接着剤』は、強固かつ迅速に接着できることに加え、良好な透光性や、眼組織と『友好的に共存』できること、さらに分解速度を制御可能であることが求められる。理想的な眼科用『バイオ接着剤』は、薬剤や細胞を搭載することも可能で、眼の疾患に対し低侵襲かつ再生可能な治療ソリューションを提供できる」と語った。
研究チームによると、眼科用接着材料は、表面接着と眼底接着の2種類に大別され、それぞれ異なる眼部領域の治療ニーズに対応する。角膜などの眼表疾患に対しては、「バイオ接着剤」がすでに顕著な可能性を示しており、縫合糸を用いない角膜移植の実現や、大範囲の角膜欠損の充填・修復、さらには湿潤や出血を伴う複雑な創面においても即時封鎖が可能となる。これにより、表面修復の適用範囲が大きく広がり、治療効果の向上が期待できる。
一方、網膜などの眼底疾患に対して、チームは「バイオ接着剤」を「多機能治療プラットフォーム」と位置付けている。硝子体切除術後における網膜固定や裂孔封鎖に加え、次世代の「バイオ接着剤」は精密な制御により、患者ごとに異なる接着強度や体内滞留時間の調整が可能だ。袁氏は、「さらに重要なのは、抗炎症薬や抗新生血管薬などを搭載でき、多標的治療を実現できることだ。これにより『バイオ接着剤』は、単なる『修復ツール』から『スマート治療キャリア』へと進化する」と述べた。
この論文では、次世代眼科用「バイオ接着剤」の発展方向も示されている。技術のイノベーションを通じて、材料の硬度や透光性を天然の眼組織と一致させ、視機能回復を支援すること、さらにはインテリジェントな応答システムを開発し、必要に応じて薬剤を放出できる材料の開発も予定されているという。

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