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人型ロボットインストラクターの日常

2026年01月15日

 VRデバイスを装着し、センサー装置を手に持って、閆傑氏は体を少し前に傾けながら、力の入れ方や動作の角度を一つ一つ微調整する。こうした指示はリアルタイムで、隣にある人型ロボットに送られる。するとロボットは、家庭を模したシミュレーション空間で、ソファの上からクッションを正確に持ち上げた。閆氏の職業はロボットデータ収集員で、ロボットインストラクターとも呼ばれている。中国新聞網が伝えた。

 安徽省合肥市にある零次方ロボットデータ収集センターでは8日、閆氏と同じような若者数十人が、それぞれ担当する人型ロボットを相手に、物品整理、テーブルの拭き掃除、部品の仕分けといった基礎訓練を行っていた。目的は、これらの「鋼鉄の教え子」に指示を理解させ、確実に作業をこなせるようにすることだ。

 通常、1台のロボットには2人のデータ収集員が付き、1人が手取り足取りで操作指導を行い、もう1人がリアルタイムで観察しながらデータを収集する。

 ロボット産業への情熱から、閆氏は昨年10月に零次方ロボットデータ収集センターに入社し、これまでに複数種類のロボットを訓練してきた。閆氏は「一見すると簡単な動作でも、百回以上繰り返し練習する必要がある」と語る。

 合肥市瑶海区にあるエンボディドAIロボット訓練場では、データ収集員の朱陽光氏が、同僚とともに商業施設を想定したロボット訓練に集中していた。

 この訓練場は8日に稼働し、面積は700平方メートルに上る。家庭や商業施設などの実環境を1対1で再現した実習拠点だ。

 朱氏は「商業施設の環境は工場よりはるかに複雑だ。例えば棚に並ぶ商品パッケージをつかむ場合でも、大きさや重さ、置かれる角度は毎回異なる。ロボットは決まりきった動作だけでは通用せず、変化に対応できる『汎化能力』が求められる」と話す。こうした能力については、「近道はなく、大量で反復的なデータの蓄積によって、ロボットに少しずつ学習させるしかない」と説明した。

 この実習拠点には現在、10社余りの企業のロボットがいる。仮想と現実を融合し、膨大なシーンデータでスキル生成を促すこの訓練モデルは、ロボット能力の急速な進化に効率的な道筋を提供している。

 朱氏は、「この仕事の面白さは、問題を見つけ、解決し続けることにある。繰り返しの調整と訓練を通じて、ロボットが人間に代わり危険で重労働な作業を担えるようにすることを目標としている」と述べた。

 合肥市には現在、ロボット産業チェーンの川上・川下企業200社余りが集積し、「大脳(意思決定システム)」「小脳(運動制御システム)」から中核部品、本体に至る全チェーンを網羅する研究開発・製造システムが構築されている。

(画像提供:人民網)

 
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