【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会は29日、中国から輸入する電気自動車(EV)に追加関税の適用を始めると発表した。30日から現行の10%に最大35.3%を上乗せする。中国製EVへの中国政府の不当な補助金が「欧州自動車産業の脅威になっている」と判断した。産業を保護するため、公平な競争条件を確保する狙い。
中国商務省はEUの発表を受け「中国企業の合法的利益を断固として守る」と強調し、対抗措置の発動を示唆した。欧州委は「(補助金を巡る)問題に効果的に対処するため、別の解決策を探る努力も続ける」と説明し、中国製EVへの価格調整の導入を含めて中国側と協議を続ける意向を示した。
追加関税は5年間の措置。受け取っているとみなした補助金の規模や、欧州委の調査に協力する姿勢に応じて税率が異なる。中国のEV最大手、比亜迪(BYD)は17%、米テスラの中国工場から欧州に輸出するEVは7.8%を上乗せする。欧州委が昨年10月に始めた中国製EVに対する調査は1年間で終結した。
北京の自動車ショーで展示された中国製のEV=4月(AP=共同)