顔にある赤と白の特徴的な模様が、スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」に登場するヒロイン「サン」の頬に似ているとして、中国の研究チームが新種のアマダイの学名に、サンをラテン語で表現した「sanae」との文字を盛り込み、英名は「モノノケ・タイルフィッシュ(アマダイ)」と名付けた。
チームの中国科学院・黄皓晨氏は「もののけ姫は自然と人間の微妙なバランスを描いており、深いエコロジーの理念に共鳴した。東アジアで広く親しまれていることも考慮した」と命名の理由を説明している。
このアマダイは、南シナ海の水深150~300メートルで採集され、体長は30センチから40センチほど。目と上顎の間に赤と白の帯状の模様がある。中国の漁師の間では食用魚として知られていた。
チームは2021年、オンラインの魚介類市場で発見。遺伝子解析で新種と確認した。深海にすむアマダイの新種が見つかるのは珍しいという。
もののけ姫は1997年に公開。サンは山犬に育てられた少女で、森を破壊する人間と争う。
「もののけ姫」のヒロイン「サン」(右)に似た模様がある「モノノケ・タイルフィッシュ」(写真はHuang et al. 提供、イラストは(C)1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND)