【北京共同】中国の習近平指導部が米国との技術開発競争に打ち勝つため人工知能(AI)などハイテク分野の人材育成を強化している。「DeepSeek(ディープシーク)」など国内の新興テクノロジー企業の躍進を背景に、学校教育でAI学習を授業に取り入れる動きが加速。有名大学は先端分野の学生募集枠を拡大した。
「天才の逆襲だ」。トランプ氏が米大統領に就任した1月20日、ディープシークが生成AIの新モデルを発表すると創業者の梁文鋒氏は一躍中国で英雄となった。中国のメディアや交流サイト(SNS)は米国のハイテク規制をはねのけ世界最先端性能を実現したと称賛。開発メンバーの多くが海外留学経験のない国内大学出身の若者と伝えられ、世論は熱狂した。
中国は2030年までにAI技術や理論を世界トップレベルに引き上げる目標を掲げる。習国家主席は今年3月の全国人民代表大会(全人代)の会議で、技術革新を支える人材の育成を強化するよう改めて指示した。
北京市は6日、今秋の新学期から市内の小中高にAI授業を導入すると発表した。
小学校の授業でロボットとゲームをする子どもたち=10日、中国江蘇省南通市(共同)