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シンポジウムで中国のコロナ対策に苦言=垂大使

2022年11月29日

 垂秀夫駐中国大使は28日、中国の政府系シンクタンク幹部らが出席した日中オンライン経済シンポジウムにビデオメッセージを寄せ、新型コロナウイルス対策として中国が実施している厳しい移動制限が日本企業の事業に影響を与えていると苦言を呈した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 垂氏は「ここ3年間の日本の対中投資は顕著な減少傾向になっている」と指摘。入国者に集中隔離が義務付けられているため日本から中国に出張しにくいことなどが原因であるとした。また「日本企業に強制的に技術移転を求めることは自由競争の精神に反する」と懸念も示した。

 同シンポジウムには日中経済協会や、中国政府系シンクタンク、国務院発展研究センターの幹部らが出席。中国メディアによると、双方の代表者は、世界経済の回復と発展の促進、中日経済貿易協力の深化、高齢化の課題への対処などの問題について議論した。

中国、気候被害基金を評価=「途上国に応えた」

2022年11月22日

 中国外務省の毛寧副報道局長は21日の定例記者会見で、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が気候変動被害の支援基金設立で合意したことは「発展途上国の切実な訴えに応えたものだ」と評価した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 あわせて「先進国は毎年1,000億ドルの気候資金を開発途上国に提供するという約束を果たしておらず、地球規模での適応資金を倍増させるためのロードマップは依然として不明確であり、南北の相互信頼の構築には役立たない。グローバルな気候ガバナンスにはまだ長い道のりがある」とした。

 新たな支援基金は気候変動で途上国に生じた被害に対して支援するもので、130か国余の途上国と中国が共同で提案した。中国からの拠出も期待されているが、資金面での貢献には消極的とみられる。

対立回避へ思惑一致=日中首脳会談

2022年11月18日

 岸田文雄首相は17日、中国の習近平国家主席とタイ・バンコクで会談した。建設的で安定的な関係構築に向け協力し、首脳や閣僚間の対話を推進していくことで一致。防衛当局間の意思疎通強化も申し合わせた。チャイナ・ウオッチがバンコク発共同通信電として伝えた。

 日中両首脳の約3年ぶりの対面会談の背景には、これ以上の対立は望ましくないという双方の思惑の一致がある。米中両国の覇権争いもあり、北朝鮮や台湾を含む東アジア情勢は緊迫化。今年の日中国交正常化50周年を機に、重層的な対話へとつなげられるかが課題。

 中国外務省は18日、会談で双方は五つの共通認識に達したと発表。「互いに脅威とならない」ことや、各種ハイレベル対話の早期再開、世界や地域の平和と繁栄に責任を負うことなどで一致したとした。

貨物宇宙船が大気圏に再突入=残骸が南太平洋の安全海域に落下

2022年11月16日

 15日の中国中央テレビ・ニュースサイト「央視新聞」によると、中国の宇宙ステーションから切り離された貨物宇宙船「天舟4号」は北京時間15日午前7時21分〈日本時間同8時21分〉、大気圏に再突入した。大部分は再突入の際に燃え尽き、少量の残骸が南太平洋の予定の安全な海域に落下した。中国有人宇宙飛行プロジェクト弁公室が明らかにした。チャイナ・ウオッチが中国通信=共同通信電として伝えた。

「天舟4号」は今年5月10日に打ち上げられ、宇宙ステーションに約6トンの物資を運んだ。これらの物資は、今後の宇宙飛行士の宇宙滞在、宇宙ステーションの組立・建造、材料科学・微小重力・宇宙医学試験の展開などに使われた。

また、物資の輸送が終了し宇宙ステーションから切り離された後も、関連の宇宙空間技術試験を行い、ステーションの軌道上の建造と運用管理のための重要な経験を積んだ。

中国、感染者1万人超=4月以来、ゼロ対策強化

2022年11月11日

 中国政府は11日、中国本土で10日に新たに確認した新型コロナウイルス感染者は約1万240人だったと発表した。1万人を超えたのは4月28日以来。習近平指導部は感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を堅持しており、全国各地で隔離や封鎖による住民の行動 制限を強化している。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 約1万240人の感染者には空港などで見つかった入国者は含まれていない。

 河南省や広東省、内モンゴル自治区、重慶市など各地で感染が広がっているほか、

首都北京でも増加傾向が続いており、当局は住民に頻繁なPCR検査を求めている。感染者が立ち寄った恐れのある商業施設は営業を停止し、観光地や公園も封鎖となるなど対策を強めている。中国共産党の最高指導部は10日に開いた会議で「ゼロコロナ」政策の継続を確認。流行が今後拡大する恐れがあるとの見通しを示した。

日中首脳、来週会談検討=3年ぶり、関係安定図る台湾・尖閣焦点、東南アで

2022年11月08日

 日中両政府が、東南アジアで来週開かれる国際会議に合わせ、岸田文雄首相と習近平国家主席による首脳会談開催を検討していることが分かった。実現すれば日中首脳の対面会談は2019年12月依頼約3年ぶりで岸田氏にとっては初。異例の3期目に入り権力基盤を固めた習氏との間で日中関係の安定化を図りたい考えだ。台湾問題や沖縄県・尖閣諸島を巡るやりとりが焦点となる。複数の外交筋が7日、明らかにした。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 会談は15~16日のインドネシアでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)か、18~19日のタイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場を想定。外交筋によると、日本の呼びかけに、中国も前向きな姿勢を示しているという。

 会談が実現すれば、岸田氏は、建設的かつ安定的な関係を双方の努力で構築する必要があるとの認識を伝え、両国の外交や防衛当局などによる重層的な意思疎通の必要性を指摘する見込みだ。

中国、宇宙開発を加速

2022年11月02日

 中国は宇宙実験施設「夢天」の打ち上げ成功を受け、独自に建設中の宇宙ステーション「天宮」の本格運用を年内にも開始する計画だ。10月の共産党大会を経て異例の3期目に入った習近平指導部は、政府と産業界、軍が一体となって宇宙開発と技術革新を進める戦略を加速させている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 天宮は夢天がドッキングしたことにより、飛行士が居住する中核部分や二つの実験施設など計画通りの構成要素がそろった。現在3人の飛行士が滞在しているが、年内に打ち上げる宇宙船でさらに3人の飛行士や貨物を送り込み、最終的な整備を進める計画だ。

 習総書記(国家主席)は党大会で「宇宙強国」を目指すと強調した。

中国、実験施設接続に成功=宇宙ステーション運用急ぐ

2022年11月01日

 中国は1日午前、ロケットで10月31日に打ち上げた宇宙実験施設「夢天」を、独自に建設中の宇宙ステーション「天宮」の中核部分にドッキングさせることに成功した。チャイナ・ウオッチが新華社の報道を引用した上海発共同通信電として伝えた。

 南部海南省文昌の発射場から運搬ロケット「長征5号B遥4」で夢天を打ち上げてから約13時間後に接続。今後は夢天の位置を移動させ、ステーションを「丁字形」にする予定。有人宇宙船と無人貨物船を相次いで送るなど天宮の運用段階への移行を急ぐ。

 中国は7月下旬、別の実験施設「問天」も天宮の中核部分に接続させている。