中国コロナ対策「新段階」=李強氏中心に経済重視へ
2022年12月19日
中国の習近平指導部は、15~16日に開かれた毎年恒例の中央経済工作会議で、新型コロナウイルス対策が「新たな段階」に入ると表明した。「ゼロコロナ」政策が事実上崩壊したことを受け、感染をある程度容認しながら経済活動の再開を重視する姿勢を明確にした形だ。来春の首相就任がほぼ確実な李強氏が景気対策の実務を率いる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
会議は来年の経済政策を討議し、新型コロナに関して「新たな段階の感染対策を確実に実行する」ことを確認した。医薬品の確保に加え、高齢者や基礎疾患のある人々の対策に重点を置く方針を示した。
会議ではコロナ対策と経済発展を両立させる重要性が繰り返し強調された。住宅や新エネルギー車といった分野の消費支援、人工知能(AI)、脱炭素、量子計算など先端分野の研究開発を加速させる。国有・民間企業の発展を支援し、外資の誘致を進めるため対外開放を継続し、環太平洋連携協定(TPP)加盟も推進するという。
一方で「来年の経済発展は多くの困難に直面する」との認識でも一致した。不動産、金融分野のリスク発生を抑え、地方政府の債務問題の解決を進める必要を強調した。
中国11月消費5.9%減=コロナ影響、不動産投資も
2022年12月15日
中国国家統計局が15日発表した11月の消費動向を示す小売売上高は前年同月比5.9%減となった。2カ月連続で前年実績を下回り、マイナス幅は前月(0.5%減)から大きく拡大した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限で消費者心理が悪化し、物流も停滞した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
この日発表された主要指標は中国経済の減速傾向をあらためて示した。
中国経済に占める比重が高い不動産投資開発も1~11月累計で前年同期比9.8%減と急速に悪化。中国恒大集団など不動産大手の経営危機が続いたのが影響したとみられる。11月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち約7割の51都市で前月と比べ下落した。
11月の小売売上高は、主力の自動車、飲食や家電などがいずれも前年同月と比べ減少、工業生産は前年同月比2.2%増とプラスを維持したものの、伸び率は10月(5.0%増)から鈍化した。
コロナ緩和「後戻りせず」=中国、入国規制の緩和示唆
2022年12月14日
13日付の中国紙、北京青年報は新型コロナウイルス対策の緩和は「後戻りできない段階に入った」と伝えた。「ゼロコロナ」政策の事実上の崩壊により北京などで感染がまん延しているものの、当局は各種制限の撤廃を続ける構え。政府高官からは「近い将来」の入国規制の緩和を示唆する発言も出た。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
スマートフォンで市民の行動履歴を管理する全国共通アプリは13日で廃止。一方、海外から中国への入国者に義務付けている計8日間の厳格な隔離は継続している。12日、米メディアが開いたイベントで中国の秦剛駐米大使は「(コロナ対策を)大胆に見直している。近い将来に制限はさらに緩和され、海外のあらゆる地域から中国への渡航も容易になるだろう」と発言するなど、隔離期間の短縮や撤廃に踏み切る可能性がある。
北京市当局によると、11日に発熱外来で受診した患者は延べ2万2千人と、1週間前の16倍に増えた。当局は発熱外来を従来の3倍の約300カ所に増やしたとしている。