【21-004】《十四五》五中全会「建議」に関連した王科学技術部長の記者会見について
JST北京事務所 2021年01月28日
既報 の五中全会の「建議」に関連して、五中全会終了の翌日、10月30日に第19回中国共産党中央委員会による記者会見が行われた。この中で、ブルームバーグ社の記者からの質問に対して、王志剛科学技術部長(大臣)から概略以下の説明があった。
(記者)
五中全会は、科学技術の自立を国家発展の戦略として支えている新しい概念を打ち出し、またイノベーションの現代化の大局における核心的地位を堅持することを提案している。中国は具体的にどのような措置により科学技術の自立と革新を実現するのか。
(王部長)
今回の五中全会はイノベーションについて、我が国の現代化建設全体の中の核心的地位にあるものとして堅持し、科学技術の自立自強を国家発展戦略も柱としている。
中国は新たな発展段階に入り、新たな発展理念を必要としている。五中全会は「建議」の中でイノベーションに引き続き、発展のための核心的な位置づけを与え、科学技術の自立自強を国家発展戦略の柱として、新しい計画の様々な任務の最初に位置づけ、特別に重視している。これは、我が党による歴代の五カ年計画の中で初めての提案である。
歴史的に見れば、第18回党大会(2012年)でイノベーション駆動発展戦略を打ち出して以降、第19回党大会(2017年)でもイノベーションは発展を牽引する第一の動力とされてきた。今回の五中全会においては、科学技術強国の建設を加速することを建議した。方針は引き継がれている。五中全会は、科学技術イノベーションに重要な位置付けを与え、中国の特色ある自主的なイノベーション発展の道を堅持していくことを掲げた。科学技術・イノベーションは偉大な中華民族の復興という百年に一度の大変局における根本的に重要なファクターとなる。
現在、中国の科学技術は量の蓄積から質の飛躍に向かっている。点の突破から系統的な能力の向上に向けて、経済発展と民生の改善、国家の安全保障などの面で堅実な基礎を打ち立てた。未来に向かって、私達はイノベーションの自信を強め、新しい科学技術革命と産業変革の大きなチャンスをつかむようにする。世界の科学技術の最前線に向かって、経済の主な戦場に向かって、国家の重要なニーズのため、人民の生命と健康のため、科学技術イノベーションと体制やメカニズムのイノベーションの「双輪駆動」を堅持して、国家の戦略的な科学技術の力を構築して、科学技術の課題攻略と緊急事態の克服のための能力を向上させる。システムの構築、完備、効率的な国家科学技術イノベーション体系を構築する。広く研究者・技術者とイノベーションの主体となる組織の積極性・創造性を引き出し、人材の強さ、科学技術の強さから産業の強さ、経済の強さ、国家の強さへとつながるイノベーティブな発展の新しい道を加速し、イノベーション型国家のトップグループ入りと世界的な科学技術強国の建設を加速させる。
科学技術の自立自強と開放的な協力は対立関係ではなく、弁証法的統一の関係にある。開放協力は中国の特色のある自主的創造イノベーションのあるべき道であり、自立自強は、相互平等、相互尊重、開放協力を行う前提と基礎である。中国の科学技術イノベーションは、これまでも閉鎖的なイノベーションではなく、今後もドアを閉ざして自らイノベーションを行うことはできない。改革開放の方針の下、この40年間、開放的な協力と交流の相互鑑は中国の科学技術イノベーションを推進するために重要な役割を果たしてきた。私達はこれまでもグローバルな視野で科学技術イノベーションを計画することを強調して、積極的にグローバルなイノベーションネットワークに溶け込んできた。現在、中国の科学技術イノベーションの発展は世界と切り離すことは出来ず、また世界の科学技術の進歩も近年ますます中国を必要としている。一方、自主的創造イノベーション能力を高めることも重要である。核心的な技術は外から買うことはできないからである。一方、より多くの国際的・先進的な経験を参考にしながら、より多くの中国の科学技術の成果を世界に分かち合い、世界の人類のチャレンジにおいてより多くの「中国の知恵」で貢献したいと思う。
未来に向かって、中国は科学技術の開放と協力の歩幅を大きくする。私達は世界各国と科学技術政策、発展戦略、研究倫理及び共通の関心を持つ科学技術とイノベーションの分野について対話や交流を行いたい。また、気候変動、エネルギー資源、公共衛生などの地球規模の問題に焦点を当て、世界に向けた科学研究基金を設立し、各国の研究者が共同で研究を展開することを促進する。中国の科学技術イノベーションの法的・政策的な環境をさらによりよいものとし、知的財産権の保護を強化し、中国に来て仕事を始める海外の人材に平等な機会と便利な条件を提供していきたい。