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【21-024】《十四五》新華社サイトのスライドショーが示すイノベーション駆動による発展

JST北京事務所 2021年03月22日

 デジタル化が進む中国社会では、マルチメディアの取組みも盛んである。人民日報社や新華社には、グループの全媒体に目を配りつつ、各界の反応も視野に置いた取材・編集・発信を進める"中央厨房"(セントラルキッチン)の取組みがある[1]

 両会(全国人民代表大会および中国人民政治協商会議)の広報サイト的な役割も果たしていると思われる新華社サイト[2]では、文字の報道ばかりではなく、以前ご紹介 した関心事項のアンケート調査(抽選で賞品が当たる。特等賞(1名)は、ファーウェイの最新ノートパソコン(10,000元相当))のほか、動画、漫画を含め、クイズ、インタビューなどの多様なコンテンツがある。

 科学技術に関しては、CCTV(中央テレビ局)の番組であった《数説中国》(「データが示す中国」)のロゴと共に掲載されたスライドショーのような映像、「"十四五"計画と2035年までの長期目標綱要草案 イノベーション駆動による発展を堅持、発展の新たな優勢を全面的につくりだそう」が2分間のスライドショーのような形式で掲載された[3]

 まず、第14次五カ年計画では、イノベーションが"センターを占めた(中国語で"C位")"として、"デジタル経済"、"量子情報"、"ビッグデータセンター"、"スマートコミュニティ"など他のキーワードの中で"創新"(イノベーション)が中央に位置する図を載せている。"C位"のCはセンターを指し、AKB48などで使用される"センターを占める"の意である。五カ年計画の公式の説明の冒頭としては、かなりやわらかい表現と言えよう。

 過去の五カ年計画を振り返り、"技術改造"を取り上げている。第1次五カ年計画では2回、第2次~第5次(第4次を除く)では、それぞれ9回,3回、4回と一桁であったと、語の使用回数を紹介している。"イノベーション"が初めて使われたのは、第6次五カ年計画であり、これ以降の五カ年計画で"イノベーション"と"科技"(科学技術)が使われている回数を図示している(第6次では、それぞれ1回と19回)。第10次五カ年計画で初めて。"イノベーション"の使用回数が40回を越え、その後も増え続けた。第14次五カ年計画では第13次五カ年計画に比べて、"イノベーション"は回数が減ったものの180回使用されており、"科学技術"は93回で最多となっている[4]

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第6次~第14次五カ年計画の文章中で「イノベーション」「科学技術」が使用された回数
出典:《两会数说中国|这几组关键数据,带你走进未来五年的创新中国》(新华网,2021年03月10日)より作成。

 続けて、五カ年計画中、イノベーションに関する語はますます増えているということを"イノベーション能力"、"イノベーション体系"から"金融イノベーション"、"イノベーション環境"、"文化イノベーション"、"イノベーション共同体"など多数の例示とともに示している。

 その後は、2035年にイノベーション国家のトップグループに入るという目標を示し、1995年以来の試験研究開発経費、特許申請件数、科学技術成果[5]の登記件数の増減をグラフで示している。試験研究開発経費は1995年の348億元から2019年の2兆2,143億元に、特許出願数は1995年の8.3万件から2019年の438万件に、科学技術成果の登記は1995年の3.1万件から、2019年の6.8万件に増加した。

 さらに、"奔向星辰大海"として、宇宙や海洋における成果として、2017年4月の天舟1号と天宮2号のドッキング成功をはじめ、近年の主要成果を紹介している。


1. 《探秘人民日报"中央厨房"》人民网,2017年01月23日
  《新华社全媒报道平台开启"中央厨房"新模式》新华网,2015年07月07日

2. 新华网2021全国两会大型融媒体专题

3. 《两会数说中国|这几组关键数据,带你走进未来五年的创新中国》新华网,2021年03月10日

4. 草案の段階でのカウントである可能性あり。

5. 中国では、科技成果登記弁法に基づき、公的資金を用いて行った研究成果の登録が求められており、応用技術成果、基礎理論成果、ソフト科学研究成果に分けた登録が行われている。公的資金を用いていない成果は、成果を出した者が望む場合に登録できる。