北京便り
トップ  > コラム&リポート 北京便り >  File No.22-050

【22-050】〔研究開発〕科技部など、企業の研究開発活動などへ税制支援強化

JST北京事務所 2022年11月16日

 中国科技部、財政部と税務総局はイノベーション創出を一層支援し、企業の研究開発への投入拡大を刺激するよう、今年以来、科学技術型中小企業を対象とする研究開発支出促進への支援強化、ハイテク企業を対象とする期限付きのイノベーション創出支援策などを相次いで実施してきた。以下にその概要をまとめる。

1.科学技術型中小企業(注1)の研究開発について

 研究開発活動に支出した研究開発費について、無形固定資産とせず当期損益に計上した場合、規定に基づいた控除に加えて、2022年1月1日より、その実行額の同額で更に追加控除できる。無形固定資産になった場合は、2022年1月1日より、その無形固定資産コストの200%で、納税前に償却することができる。

2.ハイテク企業(注2)設備更新、研究開発について

(1)2022年10月1日から2022年12月31日の間に新規購入した設備、用具について、その全額を当年の課税所得から一括して控除し、そして納税前にその額の同額で追加控除もできる。その額は当年に控除しきれなかった場合、現行の関係規定に従ってこの後の年度に繰り越して実行することができる。

(2)現行の研究開発費の75%追加控除を適用する企業に対し、同期間において、その控除の比例100%に引き上げる。


(注1):科学技術型中小企業
 科学技術型中小企業とは、一定の数の科学技術者により研究開発を行って、自らの知的財産権を取得し、そしてそれをハイテクノロジーの製品またはサービスに転換することによって持続的な発展を実現する中小企業をいう。
科学技術型中小企業の認定要件

(注2):ハイテク企業
 ハイテク企業とは、国が重点的に支援するハイテク分野において研究開発と研究成果移転を持続的に実施して、企業自らのコアとなる知的財産権を形成し、そしてこれを元とした経営活動を行う中国本土(香港、マカオ、台湾を含まない)で登録している企業をいう。

【ハイテク企業の認定要件概要】
① 設立1年以上。
② 自主研究開発、譲渡、贈与、買収合併等により得た主要製品(サービス)に適用される技術上核心的な知的財産権を有していること。
③ 主要製品(サービス)に適用される核心的技術は「国家重点支援ハイテク分野』に規定された範囲に属すること。
④ 研究開発と関連技術イノベーション活動に従事する科学技術者が当該企業の当年度従業員総数に占める割合が10%以上であること。
⑤ 企業の直近3会計年度(実質経営期間が3年未満の場合は実質経営時間)の研究開発費総額の同期間総売上高に占める割合が以下に合致すること。
(直近1年の総売上高と研究開発費総額の同期総売上高に占める割合)
  ア)5,000万元以下の企業:5%以上
  イ)5,000万元超から2億元以下企業:4%以上
  ウ)2億元超:3%以上
 また、当該企業が中国国内で使用した研究開発費が、研究開発費総額に占める割合の60%以上であること。
⑥ 直近1年間のハイテク製品(サービス)収入が企業の同期総収入に占める割合が60%以上であること。
⑦ 企業イノベーション能力評価を満たすこと。

関連記事

关于进一步提高科技型中小企业研发费用税前加计扣除比例的公告】 中央政府网

财政部 税务总局 科技部关于加大支持科技创新税前扣除力度的公告】 中央政府网

科技部 财政部 国家税务总局关于修订印发《高新技术企业认定管理办法》的通知】 中央政府网