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【23-011】【基礎研究】テンセント社、「新基石研究員事業」第1弾の採択者58人を発表

JST北京事務所 2023年02月08日

 中国のインターネットサービス大手会社テンセント社は、基礎研究を支援する重要な取り組みとして昨年4月に始動した「新基石研究員事業」[1]設立後の初めての公募は、プロポーザルの提出から約半年をかけて、トータル58人[2]を採択した。この結果は1月13日に発表された。新本石研究員事業ウィチャットアカウントが伝えた。以下にその概要をまとめる。

 今回の公募は同事業の設立趣旨に沿って数学・物質科学分野とバイト・医学科学分野で行い、中国本土と香港・マカオの991人から応募があったという。書類審査、一時審査、確定審査を経て、数学・物資科学分野で30人(うち、数学7人、物理13人、化学10人)、バイオ・医学科学分野で28人、合計58人を採択し、実験タイプ研究の採択者に500万元/年、理論タイプ研究の採択者に300万元/年で5年連続して支援することになった。(1元=約19円)

 58人の採択者の内訳をみると、

・ 香港含む12都市の18大学(41人)と13研究所(17人)の計31機関に所属。うち、10研究所と1大学が中国科学院(CAS)所属。機関別では、清華大学と北京大学が6人ずつで最も多い。香港からは、香港中文大学が2人と香港大学は1人。

・ 年齢は38才から55才、平均48才。(応募の年齢制限は55才)

・ 性別は、男性52人、女性6人。

・ 応募の形態では、36人が機関から推薦、22人が自主応募。

 審査は「オリジナリティー、重要性、ブレイクスルー」を基準とし、国際的な視野や国内外大型サイエンスプロジェクト審査経験を有する一流の研究者によって行われた。特に、一時審査時の審査意見は5割近くが海外審査委員から寄せられたのである。また、審査では、女性と若手を優先とするという配慮もされたという。

 同事業の実施について、テンセント社董事会主席(社長取締役相当)兼CEO馬化騰より、これらの研究者が新基石研究員事業の支援の下において、自由探索の推進、創造的なイノベーションの育成、世界レベルな研究成果の生産を期待し、テンセントとして創造的イノベーションの創出に持続的に支援していきたいと述べられた。


注1:同事業の概要は、以下のサイエンスポータルチャイナ(SPC)掲載記事で紹介している。
テンセント社、今後10年間で100億元の基礎研究支援

注2:採択された58人は以下のサイトにリストがある
mbd.baidu.com/newspage/data/dtlandingwise?sourceFrom=theme&nid=dt_4385262211291946560

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