【23-015】《全人代》中国共産党中央科学技術委員会について
JST北京事務所 2023年03月22日
1.概要
2023年3月5日から13日の間に開催された中国の全国人民代表大会(国会に相当)において、中国科学技術部の再編が可決され、また全人代と並行して国家機関としての科学技術部とは別に中国共産党に中央科学技術委員会を設立する旨についても発表された。[ⅰ]
そして3月16日に中国共産党と国家機関である国務院の連名で関係部門に対して「党および国家機構改革方案」が通知された[ⅱ]。
中国科学技術部の再編に続き、「党および国家機構改革方案」のうち、中国共産党中央科学技術委員会について以下に紹介する。
2.中国共産党中央科学技術委員会について
「党および国家機構改革方案」では、以下の点が明記されている。
(1)中央科学技術委員会の設立(共産党組織)
・ 科学技術活動に関する党中央委員会の集中的で統一された指導力を強化し、国家イノベーションシステムの建設と科学技術システムの改革を統一的に計画・促進する党中央政策決定および議事調整機構とする。具体的には以下のとおり。
・ 国家の科学技術発展に係る重要な戦略の研究・審議
・ 科学技術分野の戦略性、方向性、全局的な重要な問題を統一的に解決
・ 国家戦略科学技術任務と重要な科学研究プロジェクトを研究・確定
・ 国家実験室等の戦略科学技術力を統一的に計画・配置
・ 軍民科学技術融合の発展等を統一的に調整
・ 中央科学技術委員会事務局は再編後の科学技術部
(2)その他機関
①国家科学技術諮問委員会
・共産党中央の重大な科学技術政策の決定に仕え責任を負い、また中央科学技術委員会に報告するものとする。
②国家科学技術倫理委員会
・中央科学技術委員会の指導の下、学術的な専門性を有する専門家委員会とする。
・国務院の議事調整機関ではないものとする。
③廃止機関
・中央国家研究室建設指導小組(部会)、国家科学技術指導小組、国家科学技術システム改革・イノベーションシステム構築指導小組、国家中長期科学技術発展計画業務指導小組及びそれらの事務局を廃止する。
(3)地方党委員会(共産党地方組織)
・ 地方党委員会における科学技術分野の審議・調整に係る組織は、各地域の実情に応じて編成する。
(4)その他(科学技術関連以外)
・ 中央金融委員会等の金融関連の党中央委員会等。
以上
ⅰ.北京便り2022年3月15日付「《全人代》中国科学技術部の再編について」
ⅱ. 中华人民共和国中央人民政府2023年3月16日"中共中央 国务院印发《党和国家机构改革方案》"