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【19-05】華中科技大学で国際的な夏期講習開催

2019年5月29日 科技日報

 量子コンピューターやニュートリノ、デジタルPET2.0など、天体物理学や粒子物理学、脳科学、先端マイクロエレクトロニクス、スマートデバイス、AI、ビッグデータ、スパコンの応用など、その授業内容は多岐にわたる。第5回先端研究・産業スマート信号処理夏期講習(以下「INFIERI」)が13日、華中科技大学武漢国家光電研究センターで開講した。

 夏期講習では、粒子物理学者でオックスフォード大学物理学部長のイアン・シップセイ(Ian Shipsey)氏が、神秘的な宇宙の暗黒物質について解説するほか、国際将来加速器委員会(ICFA)委員でバーミンガム大学宇宙物理学研究院教授のフィリップ・オルポート(Philip Allport)氏が半導体先進技術革新の高エネルギー物理施設への影響について解説する。また世界トップの脳科学研究センターであるイタリア・地中海神経学研究所(NEUROMED)研究員のアルバ・ディ・パルド(Alba Di Pardo)氏が、学生を自然科学の「最後の荒野」へと誘い、脳の謎や脳疾患の秘密に迫る。

 これはスマート信号処理の科学研究に取り組み、天体物理学や高エネルギー物理学、医学、AI、ビッグデータなど各分野の先端研究と重大技術の進展に専念する交流・共有活動が、初めてアジアで開かれたことを意味する。これまではオックスフォード大学やパリ大学、ハンブルク大学などで開かれていた。

 第5回INFIERIのテーマは「インテグレーション」、すなわち学際領域や分野、産学における融合を意味している。中国やイタリア、フランス、ドイツ、スペイン、ブラジル、アルゼンチン、日本などの大学および科学研究機関から計50人の大学院生とポスドクを受講者として招いており、アジアや欧州、アメリカ大陸の高エネルギー物理や天体物理、医療物理の40人以上の専門家が、テーマスピーチと実験を組み合わせた授業を行う。

 学際領域の融合は、科学・教育発展の必然的な流れであり、革新的思想の源泉だ。学際領域の融合の研究において、知識の交流、モデル構築、方法の衝突、理論の相互参照などにより、新たな思想・理論・方法を生み、科学と教育の発展を促すことができる。

 フランス国立科学研究センター原子力委員会天体物理・宇宙学実験室教授のオロール・サヴォイ-ナヴァーロ(Aurore Savoy-Navarro)氏は、今回の活動の代表者だ。彼女は、「融合は各学科、領域を跨ぐ科学研究の協力のみならず、異なる民族・地域・文化の専門家と学生の広範な国際交流にも示される。これは若い世代の学生を育成し、彼らの科学研究水準を高め国際的な視野を広める上で極めて重要だ」と話した。

 華中科技大学校党委常務委員、副校長の湛毅青氏は開講の式典でスピーチを行い、「本校は一流の工科と一流の医科を持つ。これに基づき、医科と工科の結合、産学研の結合の思想を教育の中に反映し、学生のため多学科融合の学習環境を構築しようと取り組んできた。今回の夏期講習により、学生は科学分野の最新の発展に追いつき、さらに海外の学生に中国という国と文化への理解を深めるチャンスを与えることができる」と述べた。

 華中大デジタルPET実験室の教授の謝慶国氏は、今回の活動の企画者だ。紹介によると、そのデジタルPETチームのメンバーは生体医療工学、通信、電子、制御、臨床医学など十数の学科から来ているという。これには、中国や欧州、アメリカ大陸などの各国の教員と学生が含まれている。研究分野には高エネルギー物理やコンシューマー・エレクトロニクス、デジタル信号処理、臨床医学応用、先進材料、システムインテグレーションなどが含まれる。いずれも融合の特徴が目立つが、これは今回の夏期講習の典型的な教育例となっている。


※本稿は、科技日報「華中大開国際班 40名国際大伽給50名学員授課」(2019年5月16日付8面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。