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【21-08】重慶郵電大学「三院」 ビッグデータ・スマート化産業人材バンクの構築

2021年10月12日 雍 黎(科技日報記者)

 重慶市広陽島スマートイノベーションエコシティに位置する重慶郵電大学ビッグデータスマート化産業技術協同イノベーション研究院、大学院江南分院および鯤鵬イノベーション学院(以下重郵「三院」)が9月12日、正式に始動した。重慶郵電大学で同日始動式が開催され、新キャンパスで第1期の教師、学生計700人あまりが迎えられた。

 重郵「三院」は、重慶郵電大学と、重慶市南岸区政府、重慶経済開発区管理委員会が協力協定を結び、広陽島スマートイノベーションエコシティ・迎竜エリアで共同建設したものだ。始動後、重郵「三院」は「人材育成・導入、キーテクノロジーの研究開発、成果の創出・実用化、スマート技術サービス、スマート企業インキュベーション」の5大機能を履行し、「政・産・学・研・用(行政・企業・大学・研究所・ユーザー)連携のモデルプラットフォームの構築、大学院生育成イノベーションモデルの展開、鯤鵬産業人材サービス体制の形成、エンジニアイノベーション能力育成の展開」の4大任務を遂行する。

 ビッグデータスマート化産業技術協同イノベーション研究院は、重慶郵電大学の科学研究イノベーションの能力をベースに、「政・産・学・研・用」など多方面のリソースを統合し、科学技術研究成果の実用化、テクノロジーイノベーション・起業、専門人材の育成などの機能が一体となったプラットフォーム化組織・サービス機関で、重慶市、特に南岸区のビッグデータスマート産業戦略発展に技術的サポートとサービスを提供する。

 重慶郵電大学大学院江南分院は、情報・通信技術イノベーション人材育成を目標に、ビッグデータスマート化産業技術協同イノベーション研究院と足並みを揃えて建設され、産業パークの新興産業発展と研究院の重点科学研究の人材ニーズに合わせて、重慶郵電大学の人工知能(AI)、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティなどを専門に学ぶ大学院生育成任務を担当し、大学院生人材育成スタイルの改革推進を通して、大学院生育成スタイルのイノベーションを模索し、産教協同人材育成を実施し、大学院生のイノベーション・起業を促進し、イノベーション人材の育成の質を向上させ、広陽島スマートイノベーションエコシティのスマート産業の発展のためにサービスを提供する。

 鯤鵬イノベーション学院は、国が緊急に必要としている独自の産業人材のニーズに焦点を合わせて、政・産・学・研の資源の優位性を全面的に発揮させ、現代産業学院の運営スタイルを模索し、科学教育分野の産・教が一歩踏み込んで融合した、網羅的で、全プロセスにわたり、深く融合した協同人材育成メカニズムの構築を目指す。鯤鵬エコシステムのハイレベル人材育成に基づいて、鯤鵬イノベーション学院は、特色ある人材育成拠点、ナレッジイノベーション拠点、大衆による起業・イノベーションモデル拠点、人材が集合する拠点を構築し、教育と鯤鵬産業の有機的な連動、イノベーション発展を促進し、南岸区の鯤鵬産業エコシステムの形成、重慶市のデジタル経済の急速で質の高い発展、情報産業の国産化をサポートし、重慶、さらには中国西南地域のデジタル経済のイノベーション発展に人材的サポートと人材保障を提供する。

 重慶郵電大学の高新波学長によると、重郵「三院」は、3--5年の取り組みを経て、学生の規模を3,000人ほどにまで拡大させ、省と国が共同で国家重点実験室を設立し、ビッグデータスマート化イノベーションエコシステムをほぼ形成させ、波及・牽引効果、モデル的な役割を果たし、南岸区、重慶経済開発区、さらには重慶市のスマート産業発展のサポート能力を大幅に強化し、ビッグデータスマート化産業の発展とイノベーション応用を中国の先端水準を達成させ、中国国内で名を馳せるビッグデータスマート化産業のイノベーション・起業の重要拠点を構築する計画だ。


※本稿は、科技日報「重郵"三院": 打造大数拠智能化産業人才庫」(2021年9月16日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。