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【25-091】定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その33)

辻野照久(元宇宙航空研究開発機構国際部参事) 2025年10月16日

 今回は、定点観測シリーズの第33回目として、2025年7月1日から9月30日までの3か月間の中国の宇宙開発動向をお伝えする。

 本期間には「天舟(Tianzhou)9号」が打ち上げられ、中国宇宙ステーション「天宮」では3回目と4回目の船外活動が行われた。1回の飛行で4回の船外活動は初めてである。

 本期間の中国のロケット打ち上げ回数は24回で、過去最大の23回を上回り、最多となった。

 インターネット衛星は7回打ち上げられ、52機増加して86機となった。「長征5B」による10機同時打ち上げは3回目となった。

2025年第3四半期の世界のロケット打ち上げ状況

 本期間の「衛星打ち上げ用ロケット」(以下、単に「ロケット」という)の打ち上げ回数は、中国が24回、米国が45回、ロシアが6回、ニュージーランド(NZ)が2回、欧州が2回、インドが1回、イスラエルが1回、オーストラリア(豪)が1回(打ち上げ失敗)、イランが1回(打ち上げ失敗)で、全世界で83回であった。表1に2025年9月末までの世界各国のロケット打ち上げ回数を示す。

表1 2025年9月末までの世界のロケット打ち上げ回数 ★は打ち上げ失敗(内数)
*1 米国の[ ]内はスペースX社の打ち上げ回数及び失敗回数(内訳)
期間 中国 米国*1 ロシア NZ 欧州 日本 インド イスラエル その他 世界計
1月-3月 17(★1) 39[38]
(★2[★2])
4 5 1 1 1   ドイツ
1(★1)
69(★4)
4-6月 19 49[45]
(★1)
3 4 1 2 1(★1)     79(★2)
7-9月 24(★1) 45[43] 6 2 2   1 1 豪1(★1)
イラン1(★1)
83(★3)
60(★2) 133[126]
(★3[★2])
13 11 4 3 3(★1) 1 3(★3) 231(★9)

中国と米スペースX社のロケット・衛星打ち上げ状況

 この期間に中国は24回の打ち上げ(うち1回は失敗)を行い、自国衛星114機(うち4機は失敗)と外国衛星3機(パキスタン1機、メキシコ2機)を打ち上げた。自国衛星の内訳は、貨物輸送船が1機、地球観測衛星(気象衛星を含む)が11機、通信放送衛星が56機、航行測位衛星(測位補強)が33機、技術試験衛星が13機(うち4機は失敗)である。

 表2に衛星打ち上げに使われたロケットや軌道投入された衛星などの一覧表、表3にロケット種別による2025年9月末までの打ち上げ回数と衛星数を示す。

表2 2025年7月1日から9月30日までの中国のロケット・人工衛星打ち上げ状況
国際標識番号の*は英字が未定であることを示す。
衛星名 国際標識番号 打ち上げ日 打ち上げ
ロケット
射場 衛星保有者 ミッション 軌道
Shiyan 28B-01 試験 2025-145A 2025/7/3 長征 4C 西昌 CASC 技術試験 LEO
Tianzhou 9 天舟 2025-149A 2025/7/14 長征7 文昌 EMSO 貨物輸送船 LEO
Hulianwang Digui L05 1-5(5機) 互聯網低軌 2025-159A-E 2025/7/27 長征6A 太原 国網 通信放送 SSO
Enshi Xidou Shanquan 恩施硒都山泉 2026-160A 2025/7/29 双曲線1(2) 酒泉 湖南航昇衛星科技など 地球観測 LEO
Hulianwang Digui L06 1-9(9機) 互聯網低軌 2025-162A-J 2025/7/30 長征8A 海南商業 国網 通信放送 LEO
PRSC S1   2025-164A 2025/7/31 快舟1A 西昌 パキスタン 地球観測 SSO
Hulianwang Digui L07 1-9(9機) 互聯網低軌 2025-168A-J 2025/8/4 長征12 海南商業 国網 通信放送 LEO
GeeSAT 4 01-11(11機) 吉利星座 2025-170A-L 2025/8/8 捷龍3 海上 吉利星座公司 測位補強 LEO
Hulianwang Digui L08 1-10(10機) 互聯網低軌 2025-174A-K 2025/8/13 長征5B/YZ2 文昌 国網 通信放送 SSO
Guangchuan
03-06(4機)
光伝 2025-F08 2025/8/15 朱雀2E 酒泉 CASC 技術試験 打上
失敗
Shiyan 28B-02 試験 2025-177A 2025/8/17 長征4C 西昌 CASC 技術試験 LEO
Hulianwang Digui L09 1-5(5機) 互聯網低軌 2025-178A-E 2025/8/17 長征6A 太原 国網 通信放送 SSO
AIRSAT 5 中科 2025-180* 2025/8/19 中科1 酒泉 CAS 地球観測 SSO
Duogongneng Shiyan 2
01-03(3機)
多功能試験 2025-180* 軍事研究院 技術試験
2025-180*
2025-180*
Tianyan 26 天雁 2025-180* Minospace 地球観測  
ThumbSat 1,2   2025-180* メキシコ 技術試験衛星  
  2025-180*  
Hulianwang Digui L10 1-9(9機) 互聯網低軌 2025-187A-J 2025/8/25 長征8A 海南商業 国網 通信放送 SSO
Shiyan 29 試験 2025-196A 2025/9/5 長征3C/G3Z 西昌 CASC 技術試験 ISGO
Kaiyun 1 開運 2025-197* 2025/9/5 穀神星1(3) 酒泉 不明 地球観測 SSO
Yuxing-3 08 馭星 2025-197* 不明
Yunyao-1 27 雲遥 2025-197* 天津雲遥 気象観測
Eros2 愛神星 2025-197* 星河動力 技術試験
Yaogan 40 03A 遥感 2025-199* 2025/9/6 長征6A 太原 PLA 地球観測 SSO
Yaogan 40 03B 2025-199*
Yaogan 40 03C 2025-199*
GeeSAT 5 01-11(11機) 吉利星座 2025-201A-L 2025/9/8 捷龍3 洋上 吉利星座公司 測位補強 LEO
Yaogan 45 遥感 2025-202A 2025/9/9 長征7A 文昌 PLA 地球観測 MEO
Hulianwang Jishu Shiyan
7A-D(4機)
互聯網技術試験 2025-209A-D 2025/9/16 長征2C(3)/
YZ1S
酒泉 CAST 通信放送 LEO
GeeSAT 6 01-11(11機) 吉利星座 2025-214A-L 2025/9/24 捷龍3 洋上 吉利星座公司 測位補強 LEO
Fengyun 3H 風雲 2025-219A 2025/9/26 長征4C 酒泉 CMA 気象観測 SSO
Hulianwang Digui L11 1-5(5機) 互聯網低軌 2025-220A-E 2025/9/27 長征6A 太原 国網 通信放送 SSO
Shiyan 30
A,B(2機)
試験 2025-222A-B 2025/9/29 長征2D(2) 西昌 CASC 技術試験 LEO
表3 ロケット種別による2025年9月末までの中国の打ち上げ回数と衛星数 衛星数の( )は外国衛星の内訳 <CASCのロケット系列>
ロケット種別 長征2 長征3 長征4 長征5 長征6 長征7 長征8 長征12 捷龍
打ち上げ回数 8 12 4 2 9 4 4 1 4
衛星数 29(1) 15 4 20 51 4 45 9 43
<CASC以外のロケット>
ロケット種別 快舟 中科 双曲線 穀神星 朱雀 CASC+
CASC以外の計
打ち上げ機関 CASIC 中科宇航 星際栄耀 星河動力 藍箭航天
打ち上げ回数 2★1 2 1 5 2(★1) 60(★2)
衛星数 2(1)★1 13(2) 1 27 10(★4) 273(4)(★5)

 スペースX社はFalcon 9の43回の打ち上げで、有人宇宙船1機、貨物輸送船2機+キューブサット9機、宇宙往還機(X-37B)、ESAの「Sentinel 4A」、イスラエルの静止通信衛星「Dror 1」、英国の通信衛星「O3b mPower」2機、インドネシアの静止通信衛星「Nusantara 5」、米国の「T1TL」21機、米国の通信衛星「Kuiper」24機(2回)、NASAの「IMAP」など3機、USA衛星22機、各国衛星11機+8機、自社のLEO通信衛星「Starlink」728機とUSA衛星4機(打ち上げ回数28回)を打ち上げた。以上の合計で862機となる。

 Starshipの10回目の試験飛行は成功した。

宇宙ミッション1 宇宙輸送分野

(1)外国衛星の打ち上げ

 7月31日、CASICは快舟1Aロケットによりパキスタンの地球観測衛星「PRSC S1」を打ち上げた。

 8月19日、中科宇航は中科1ロケットにより中国衛星5機との相乗りで2機のメキシコ技術試験衛星「ThumbSat」を打ち上げた。

(2)打ち上げ失敗

 8月15日、藍箭航天は「光伝」衛星4機を搭載した朱雀2Eロケットの軌道投入に失敗した[1]。全世界で本年8番目の打ち上げ失敗となった。

宇宙ミッション2 有人宇宙活動分野

(1) 貨物輸送船「天舟9号」打ち上げ

 7月15日、載人航天工程弁公室(CMSE)は貨物輸送船「天舟9号」を長征7ロケットにより打ち上げ、中国宇宙ステーション(CSS)に接続した[2]

(2)天舟8号の消失

 天舟9号の到着に先立って、CSSでのミッションを終了した「天舟8号」は7月8日にCSSから分離され、大気圏に突入して消失した[3]

(3)船外活動

 8月15日、「神舟20号」の搭乗員は第3回目の船外活動を8時間かけて行い、宇宙デブリ対策装置を設置した[4]。続いて9月26日には第4回目の船外活動を6時間かけて行った[5]

宇宙ミッション3 月惑星探査分野

(1) 第一段階の月探査(無人)の第4フェーズ

 第一段階の月探査は饒-落-回の三歩走(フェーズ1-3)のプロジェクトが計画され、2020年12月に月探査機「嫦娥(Chang'e)5号」がサンプルリターンに成功したことにより完了した。第二段階の有人月探査の開始まで数年の開発期間が必要であり、2021年に第一段階の第4フェーズを追加した。既に「嫦娥4号」により世界初の月の裏側着陸に成功していたことから、データ中継を行う「鵲橋(Queqiao)」も加え、「嫦娥6号」による世界初の月の裏側からのサンプルリターンも含めて、2026年以降に実施予定の「嫦娥7号」と「嫦娥8号」のミッションが第4フェーズの計画となった。

(2) 小惑星探査機「天問(Tianwen)2号」

 2025年5月29日打ち上げの「天問2号」は、9月30日までに125日間の飛行で地球から4300万km離れた地点に到達し、着陸予定の小惑星「2016HO3」に4500万kmまで接近している。10月1日には地球と自らの写真を撮影した[6]

宇宙ミッション4 宇宙科学分野

(1)地球圏科学

 欧州宇宙機関(ESA)と中国が共同で開発中の地球圏科学衛星「SMILE」(Solar wind Magnetosphere Ionosphere Link Explorer)は、2026年にVegaロケットにより打ち上げられる予定である[7]。軌道投入に成功した場合は、中国の衛星ではなく、ESAの衛星(中国と共同)として記録する。

宇宙ミッション5 地球観測分野

(1)人民解放軍(PLA)の偵察衛星「遥感(Yaogan)」

 ①「遥感40」03組

 9月6日、PLAは3機1組のSIGINT衛星「遥感40」03組を長征6Aロケットにより太原から打ち上げた[8]

 ②「遥感45」

 9月9日、PLAは「遥感45」の初号機を長征7Aロケットにより文昌から打ち上げた[9]。高度約7500km、軌道傾斜角約20度の中高度周回軌道(MEO)に投入した[10]

(2)CASのAIRSAT

 8月19日、中国科学院(CAS)の空天信息創新研究院(宇宙情報創新研究院)は地球観測衛星「AIRSAT 05」(別名:海哨(Haishao)2号)を中科1ロケットにより打ち上げた[11]

(3)国家気象局の気象衛星「風雲(Fengyun)3H」

 9月26日、国家気象局は周回型気象衛星「風雲3H」を長征4Cロケットにより打ち上げた[12]

(4)恩施硒都山泉

 7月29日、湖南航昇衛星科技有限公司、天勰力(Tianxieli)衛星技術有限公司(山東省泉州)、浙江妙月航天応用科技有限公司は共同で技術試験衛星「恩施硒都山泉」(Enshi Xidou Shanquan)を双曲線ロケットにより打ち上げた[13]

(5)穀神星ロケットにより打ち上げ(4機中3機は地球観測衛星)

 ①開運(Kaiyun)1号は宇宙状況監視を行う商用宇宙プラットフォームの衛星群の1機で、地上観測ステーションネットワークと組み合わせて宇宙地上統合観測システムを構築する[14]

 ②馭星(Yuxing)3-08

 ハルビン工業大学は地球観測衛星「馭星3-08」(別名:智新(Zhixin)1号)を開発し、新型の温度可変材料の軌道上検証を行った後、搭載カメラにより地球観測も行っている[15]

 ③雲遥(Yunyao)

 天津雲遥公司の気象衛星で、既に多数の同種衛星を打ち上げている。

 なお、もう1機の衛星はロケットの打ち上げを行った星河動力公司の「愛神星2」(Eros 2)である(宇宙ミッション8参照)。

(6)Minospaceの地球観測衛星「天雁(Tianyan)」

 北京微納星空科技有限公司(Monospace)は中科1ロケットにより地球観測衛星「天雁26号」を打ち上げた。

宇宙ミッション6 衛星通信分野

(1)インターネット衛星

 国網(China Satnet)が運用する「互聯網衛星低軌」(Huliangwang Weixing Digui:HWD)は製造企業により3種類のタイプがあり、Type1は中国空間科学研究院(CAST)が製造、Type2は上海微衛星工程中心(Shanghai Engineering Center for Microsatellites)と中国科学院微小衛星創新研究院(IAMCAS)が共同で製造、Type3は銀河公司が製造(初打ち上げ)というように分担している。本期間にはHWD衛星が7回の打ち上げで合計52機が軌道に投入された。この他にCASTは互聯網技術試験衛星4機も打ち上げた。これらの衛星の打ち上げロケットや軌道を表4に示す。軌道高度は衛星ごとに少しずつ異なるので、代表例で示した。

表4 互聯網衛星の打ち上げ状況
衛星略称 打ち上げ日 製造 衛星数 ロケット 射場 遠地点
高度
近地点
高度
軌道
傾斜角
HWD L05[16] 7/27 CAST 5 長征6A 太原 1176.2 1173.8 86.5度
HWD L06[17] 7/30 上海 9 長征8A 海南商業 974.1 973.7 50度
HWD L07[18] 8/4 銀河 9 長征12 海南商業 942.6 932.8 50度
HWD L08[19] 8/13 CAST 10 長征5B 文昌 1176.1 1173.9 86.5度
HWD L09[20] 8/17 CAST 5 長征6A 太原 1155.9 1152.9 86.5度
HWD L10[21] 8/25 上海 9 長征8A 海南商業 939.4 926.6 86.5度
HWD L11[22] 9/27 上海 5 長征6A 太原 1016.6 1003.6 86.5度
HW技術試験7[23] 9/16 CAST 4 長征2C(3) 酒泉 818.9 816 50度

宇宙ミッション7 航行測位分野

(1)測位補強

 本期間にGeespace社は測位補強衛星「吉利星座(Jili Xingzuo)」を捷龍3ロケットにより洋上から3回打ち上げ、過去3回の打上げ分と合わせて累計が63機となった。表5に打ち上げ状況を示す。同様の打ち上げをもう1回行うと、目標の74機体制となる(その29 参照)。

表5 測位補強衛星の打ち上げ状況
衛星名 衛星数 打ち上げ日 遠地点高度 近地点高度 軌道傾斜角
GeeSAT 4[24] 11 8月9日 624.0~629.9 601.3~607.3 50度
GeeSAT 5[25] 11 9月8日 620.5~624.3 610.1~613.2 50度
GeeSAT 6[26] 11 9月24日 610.2~611.1 589.0~592.3 50度

宇宙ミッション8 技術試験分野

(1) CASCの技術試験衛星「試験(Shiyan)」

 本期間に、CASCは西昌からの4回の打ち上げで5機の試験衛星を軌道に投入した。表6に打ち上げ状況を示す。「試験29」は南北28.5度の範囲で準天頂衛星の8の字型軌道となっている。

表6 「試験」衛星の打ち上げ状況
衛星名 衛星数 打ち上げ日 ロケット 遠地点高度 近地点高度 軌道傾斜角
試験28B 01[27] 1 7/3 長征4C 796.0 792.0 11度
試験28B 02[28] 1 8/17 長征4C

796.0

792.0

11度
試験29[29] 1 9/5 長征3C 35949.3 35747.2 28.5度
試験30 A-B[30] 2 9/29 長征2D 597.7 592.3 35.5度

(2)PLA軍事科学院の技術試験衛星「多功能試験(Duogongneng Shiyan)」3機

 2020年に多功能試験衛星が初めて打ち上げられたが、運用機関は不明であった。今回、8月29日に中科1ロケットにより3機の同名の2号衛星(01~03)が打ち上げられ、百度で検索したところ、PLAに属する軍事科学院が運用主体であることが判明した。

(3)星河動力公司のロケット性能確認用ペイロード「愛神星」(Eros)

 星河動力公司が9月5日に穀神星ロケットにより打ち上げた技術試験衛星はロケット性能確認用ペイロードの2機目で、衛星名は「愛神星2」(Eros 2)である[31]。1号機は2024年6月に打ち上げられた。現在の軌道は高度約500kmの太陽同期極軌道(軌道傾斜角97.4°)である。

参考資料:世界の物資補給船(計画も含む)

 有人宇宙活動を恒常的に継続する上で物資補給は非常に重要なミッションである。

 中国は2021年に貨物輸送船「天舟2号」によりCSSに初めて燃料・水・酸素・食料などの物資約6トンを輸送した。

「天舟」の打ち上げ時質量は13トン弱で、文昌射場から長征7ロケットにより打ち上げた。軌道高度は400km、 軌道傾斜角は42.8°であった。

 表7に天舟の打ち上げ記録を示す。最近の打ち上げ間隔は約8か月である。

表7 天舟の打ち上げ記録
衛星名 国際標識番号 打ち上げ日 備考
天舟1号 2017-021A 2017年4月20日 天宮2号とドッキング、2017年9月22日消失
天舟2号 2021-046A 2021年5月29日 天和とドッキング、以下同じ、2022年3月31日消失
天舟3号 2021-085A 2021年9月20日 2022年7月27日消失
天舟4号 2022-050A 2022年5月9日 2022年11月14日消失
天舟5号 2022-152A 2022年11月12日 2023年4月12日消失
天舟6号 2023-063A 2023年5月10日 大連1を放出、2024年1月19日消失
天舟7号 2024-013A 2024年1月17日 2024年11月17日消失
天舟8号 2024-211A 2024年11月15日 2025年7月8日消失
天舟9号 2025-149A 2025年7月14日 天和に接続中

 中国以外に物資輸送を行っている、または過去に行った国は4か国あり、すべて米国が主導する国際宇宙ステーション(ISS)に向けて貨物や食料を届けている。ロシアはROSCOSMOSが運用する物資補給船「プログレス(Progress)」[32]、米国はNASAが運用する2種類の貨物輸送船「ドラゴン(Dragon)」[33](SpaceX社、約12トン)及び「シグナス(Cygnus)」[34](Northrop Grumman社、約7.5トン)である。

 この他に欧州や日本の物資補給船も参加している。欧州は2014年までは物資補給船「ATV」で5回物資輸送を行った実績があるが、後続機は今のところ開発されていない。日本はJAXAが2020年までに「HTV(こうのとり)」で9回物資輸送を行った実績があり、後継の貨物輸送船として「HTV-X」[35]を開発し、10月21日ごろにH3ロケットにより打ち上げる予定である。

 これらの物資補給船の軌道高度はISSに接続するため高度400km、軌道傾斜角51.6°である。

 米国では新たな貨物輸送船としてシエラ・ネバダ社(Sierra Nevada Corp. SNC)がドリーム・チェイサー(Dream Chaser)を開発中で、既にケネディ宇宙センターに到着しているが、打ち上げは2025年10月以降に延期されている。

以上


[1] 8月16日、百度、戈壁滩上,一道烈焰刺破蓝天

[2] 7月15日、CASC、长征七号运载火箭成功发射天舟九号货运飞船

[3] 7月8日、CASC、天舟八号货运飞船已受控再入大气层

[4] 8月16日、CASC、神舟二十号航天员乘组圆满完成第三次出舱活动

[5] 9月26日、CASC、神舟二十号航天员乘组圆满完成第四次出舱活动

[6] 10月1日、CNSA、国家航天局发布天问二号探测器与地球合影

[7] 9月30日参照、ESA、smile

[8] 9月7日、CASC、长六改火箭成功发射遥感四十号03组卫星

[9] 9月9日、CASC、长征七号改运载火箭成功发射遥感四十五号卫星

[10] 9月30日参照、ORBITING NOW、YAOGAN-45 / 65563 / 2025-202A

[11] 8月19日、央広網、一箭7星 力箭一号遥十运载火箭发射成功 全力构建国际航天发射服务"中国范式"

[12] 9月26日、CASC、长征四号丙运载火箭成功发射风云三号H星

[13] 7月29日、百度、恩施硒都山泉号卫星

[14] 9月30日参照、百度、开运一号卫星

[15] 9月30日参照、百度、驭星三号08星

[16] 7月27日、CASC、长六改运载火箭成功发射卫星互联网低轨卫星

[17] 7月30日、CASC、长征八号甲运载火箭发射卫星互联网低轨卫星

[18] 8月4日、CASC、长征十二号运载火箭成功发射卫星互联网低轨07组卫星

[19] 8月13日、CASC、我国成功发射卫星互联网低轨卫星

[20] 8月17日、CASC、长六改运载火箭成功发射卫星互联网低轨卫星

[21] 8月26日、CASC、长征八号甲运载火箭成功发射卫星互联网低轨卫星

[22] 9月27日、CASC、长征六号改运载火箭成功发射卫星互联网低轨卫星

[23] 9月16日、CASC、长征二号丙运载火箭/远征一号S上面级成功发射卫星互联网技术试验卫星

[24] 8月9日、CASC、捷龙三号火箭海上发射成功

[25] 9月9日、CASC、捷龙三号火箭一箭11星海上发射取得圆满成功

[26] 9月24日、CASC、捷龙三号运载火箭成功发射吉利星座06组卫星

[27] 7月3日、CASC、长四丙火箭成功发射试验二十八号B星01星

[28] 8月17日、CASC、长四丙火箭成功发射试验二十八号B星02星

[29] 9月5日、CASC、长三丙火箭携手远征一号上面级成功发射试验二十九号卫星

[30] 9月29日、CASC、长二丁火箭成功发射试验三十号卫星01、02星

[31] 9月5日、Gunter’s Space Page、Eros 1,2

[32] 9月13日、Gunter’s Space Page、Progress-MS 01 - 40

[33] 8月26日、Gunter’s Space Page、Dragon C2, CRS-1,... CRS-20 (SpX 1,... 20)

[34] 7月15日、Gunter’s Space Page、Cygnus-PCM (enhanced)

[35] 6月2日、Gunter’s Space Page、HTV-X 1, 2, 3 (Kotonotori 1, 2, 3)


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