中国の五ヵ年計画中の知財関連情報
「中華人民共和国国民経済及び社会発展五年計画綱要」(通称「五カ年計画」。)は、国家重大建設項目、製造力分布及び国民経済重要比例関係などを制定する、五カ年長期計画とな。計画は1953年から始まり、現在は、第十三次五カ年計画(2016~2020年)が実施されている。
今までの五カ年計画において、知的財産に関する制定なども存在するものの、その内容は詳細ではなく、マクロ的な方針が中心であったが、第十三次五カ年計画(2016~2020年)において、これがより具体的に記載されたことが特徴である。
知識産権の保護及び運用の強化(「第十三個五ヵ年計画」の抜粋)
知的財産権保護を強化し、専利法、著作権の改正を積極的に推進のうえ、新しい技術、新しい業態、新しいモデルの発展創新をフォローする。インターネット、eコマース、ビッグデータなど分野の知識産権保護規則研究を強化し、商業モデルの知的財産権保護、営業秘密保護、実用芸術品外観設計専利保護などに関する法律法規を完善する。知的財産権快速権利保護体制を完善し、新しい快速権利保護センターを建設する。故意に知的財産権を侵害する行為を社会信用記録に納入し、知的財産権侵害に関する行政取締り体制を健全化し、知的財産権犯罪行為を厳しく取締り、税関による知的財産権法執行の保護を強化し、知的財産権侵害にかかる法定賠償金上限額の向上を推進する。
知的財産権布局運用を強化する。(略)
知的財産権発展体制を完善する。(略)
また、第十三次五カ年計画に基づき、「「十三五」国家知識産権保護及び運用の計画」も初めて制定され、知的財産権の保護及び運用にかかる基本原則、発展目標、重要任務などが規定された。同計画において、専利出願などに関する、以下のような具体的な指標が記載れている。
出所: 第十三次五カ年計画(2016~2020年) http://www.gov.cn/zhengce/content/2016-12/19/content_5150090.htm 「十三五」国家知識産権保護及び運用の計画http://www.gov.cn/zhengce/content/2017-01/13/content_5159483.htm | |||
指標 | 2015年 | 2020年 | 累計増加数 |
発明専利(特許・実用新案・意匠)保有量(件/万人) | 6.3 | 12 | 5.7 |
PCT専利(特許・実用新案・意匠)出願件数(万件) | 3 | 6 | 3 |
植物新種出願総量(万件) | 1.7 | 2.5 | 0.8 |
全国作品登録数量(万件) | 135 | 220 | 85 |
年度知的財産権質権融資金額(億元) | 750 | 1,800 | 1,050 |
ソフトウェア著作権登録数量(万件) | 29 | 44 | 15 |
一定規模以上の製造業について億元単位毎の主要業務収入における有効発明専利(特許・実用新案・意匠)件数 | 0.56 | 0.7 | 0.14 |
知的財産権使用料輸出額(億USドル) | 44.4 | 100 | 55.6 |
知的財産権サービス業売年間増長率(%) | 20 | 20 | - |
知的財産権保護社会満足度(分) | 70 | 80 | 10 |