2010年12月01日-12月03日
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原子力発電業界が急速な発展 各地で人材不足

2010年12月01日

 近年、国による新エネルギー発展の奨励に伴い、原子力発電にもこれまでに無いほど注目が集まっている。次々と原発プロジェクトに着手する国内企業からは、人材不足の声があがっている。「科学時報」が30日に伝えた。

 「原子力発電中長期発展計画(2005-2020)」によると、中国は今後10年間、毎年5-8基以上の原発ユニットを起工し、2020年までに、中国で稼動中の原発設備容量は4000万キロワット、建設中の原発設備容量は1800万キロワットに達する見込みだ。

 大まかな計算によると、原発の設計、製造、建設、運行、管理、研究などを行う人材ニーズは毎年数千人に上るが、全国の大学で原子力工学を専攻した2007年度卒業生の総数は500人にも満たない。現在、中国の原子力業界の技術人材と、プロジェクト管理、金融、財務、ビジネス交渉などの人材はどれも不足している状態だ。

 華北電力大学核科学工程院の陸道綱院長は「原子力発電の産業チェーンでは現在、各所で深刻な人材不足となっている。発電所の建設だけでなく、原発技術の開発、核燃料の供給と処理などでも人手不足が深刻だ。ただし、核物理方面では人手が足りている。これに比べて足りないのが、原子力工学の人材だ。原子力工学でもミドル・ハイレベルの人材は足りているが、第一線とローエンドの技術人材は不足している」と述べる。

 陸氏院長によると、第一線とローエンドの技術人材には、原発の管理、現場の運営管理、工事現場全体の管理、操作員の管理、安全制御、計画と保証、設備メンテナンスなどが含まれる。また、発電所の建設面では、建設現場全体の制御、各部門の分業と連絡などを行う専門人材が不足しているという。

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