2011年01月24日-01月28日
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次世代高温超伝導テープ材料の開発に成功

2011年01月25日

 上海交通大学が23日に明らかにしたところによると、同大学物理学科の李貽傑教授率いる科学研究チームは、3年間の研究の結果、独自の技術を採用し、知的所有権を有する100メートル級第2世代高温超伝導テープ材料の開発に成功した。これは国内の超伝導テープ材料分野におけるブレークスルーとなる。新華社が23日に伝えた。

 このたび開発された超伝導テープ材料は薄い膜のような形をしており、金属基板の幅は約1センチ、厚さは80ミクロン。超伝導電流を伝達する希土類酸化物超電導体の厚さは1ミクロン以下だ。従来の銅線と比べると、同じ断面積の導電能力は超伝導テープのほうが数百倍上回っている。

 李教授は「100メートル級の高温超伝導テープ開発により、中国は同分野において国際的にもトップレベルとなった」と述べる。現在、第2世代高温超伝導テープ材料は世界的にも大規模な市場化が始まりつつあり、中国が同分野の産業化開発プロジェクトに着手したのは、良いタイミングだったといえる。しかも、第2世代高温超伝導テープ材料では導電に希土類酸化物が使われ、中国は資源的メリットを有している。第2世代高温超伝導テープ材料の開発により、中国は資源的メリットを技術的メリットへと転換でき、ローエンド原料を輸出し、ハイエンド製品を輸入するという不利な局面を転換させることができる。

 既存の送電網システムは伝達における損耗率が約8-10%だったが、第2世代高温超伝導ケーブルを使えば損耗率はほぼ0で、省エネ効果が大幅に高まると見られる。

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