中国科学院古脊椎動物・古人類研究所は25日、徐星研究員率いる国際古生物調査チームが内蒙古の臨河地区にある白亜紀初期の地層から珍しい小型の恐竜を発見した。「単指臨河爪竜」と命名されたこの恐竜は手の指が一本しか発育していない。この世界初の発見は最新号の「米国科学アカデミー紀要」で発表された。新華社が25日伝えた。
この恐竜の体格はオウムほどしかなく、アルヴァレサウロイド類に属する、獣脚類恐竜の一種。体長はわずか数十センチ、体重は1キロほどしかない。この珍しい今日りゅの前肢には一本指しかなく、その指で蟻穴を掘って食物を確保していたと研究者は推測している。
指の退化現象は進化生物学の研究分野で注目を集めている。脊椎動物の研究史において、恐竜を含む多くの脊椎動物で指の退化現象は見られる。一般的には原始の恐竜には5本指があったとされるが、進化の過程で一部の獣脚類恐竜は2本の指が徐々に退化して3本指となり、ついには鳥類に進化した。一部の恐竜はさらに指が退化した。例えば有名なティラノサウルスには2本の短い指しかない。今回発見された臨河爪竜はそれよりもさらに極端で、一本指しかない。今回の発見は獣脚類恐竜の手の形態の多様性と複雑性を解き明かすこととなった。