中国国家水利部の胡四一副部長はこのほど、「全国で400億立方メートル分の水が不足しており、全国で約3分の2の都市では、程度の差はあるが、水不足状態に陥っている。日照り災害による被災農地面積は、年間で1540万ヘクタール前後に達する」と明かした。水不足は過去のことではなく、今でも国内発展の足を引っ張る深刻な問題となっている。「光明日報」が27日伝えた。
北京市水務局の統計データによると、市の2010年水資源総量は21億8400万立方メートル、用水量は2008年比4000万立方メートル増の35億5千万立方メートルに達した。つまり、北京の水資源不足量はすでに14億立方メートルに迫っている。この深刻な水不足が、経済社会発展の足かせとなることは想像に難くない。
全国655都市のうち、約400都市が水不足に陥っており、うち200都市はかなり深刻な状態という。100万人以上の人口を抱える特大都市32都市のうち、30都市が長期にわたり水不足に頭を悩ませている。
客観的に見ると、中国は多くの大河、湖、沢を擁している。しかし、13億の中国人は、「人が多く水が少ない」というアンバランス状態にある。その上、水資源の時空的分布や生産力配置もバランスが取れていない。これが中国水情勢の本質的な姿だ。
全国政協委員を務める水利部長江水利委員会の楊淳副主任は、「我が国の都市化プロセスが加速するにつれ、水の安全問題も日ごとに深刻化している」と警告している。持続的で大規模な人口増加と都市拡張によって、水資源需要が激増しており、不足が増大している。中国の都市化率は46.6%に達した。これは、内需拡大や「三農(農村、農業、農民)」問題の解決に有利に働くが、同時にいっそう深刻な水資源不足をも招く結果となった。