2011年04月25日-04月29日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年04月25日-04月29日 >  中国初の核破砕中性子源、基本設計報告書の審査段階へ

中国初の核破砕中性子源、基本設計報告書の審査段階へ

2011年04月28日

 広東省東莞市に建設予定の中国核破砕中性子源プロジェクトは、基本設計報告書の審査段階に入った。同プロジェクトは5月4日に国からの審査を受け、下半期には着工する予定。中国新聞社が27日に伝えた。

 核破砕中性子源は、一国の科学技術レベル、工業レベルなどの総合的実力を測るバロメーターと言える。

 核破砕中性子源は第11次五カ年計画(2006-2010)期間中、重点的な研究が行われた。現在は国家中長期科学技術発展計画に組み込まれ、最先端のハイテク大型研究プラットフォームにおいて、学際的な研究が行われている。

 同プロジェクトは中国科学院と広東省が共同で建設するもので、敷地面積は1千ムー、投資総額は22億元、完成は2017年ごろとなる予定。

 中国核破砕中性子源プロジェクト弁公室の陳延偉主任によると、現在までに、中国科学院の所属研究所9カ所における研究チーム(約70チーム)及び、大学22カ所、中国原子力エネルギー科学研究院、中国工程物理研究院など中国科学院以外の研究機構における研究チーム(約30チーム)が同システムを使用することが確定しているという。

 最先端科学技術が必要となる核破砕中性子源は、現在米国、英国、日本にそれぞれ1台ずつ、わずか3台しかない。同プロジェクトが完成すれば、中国は同技術を有する世界4番目の国となる。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます