中国の月探査プロジェクトおよび月探査衛星「嫦娥1号」の総指揮兼総設計師を務める葉培建氏(中国科学院院士)が25日、南京で講演を行った。同氏は嫦娥3号の進展に触れ、「計画は現在順調に進められている。嫦娥3号は月面に着陸し、月面車での探査を計画しており、着陸するために4本の足がついている。月面車の重さは120キロで、着陸機から半径3キロ以内の範囲を10キロメートルにわたって走り、探査を行う。取得したデータは地上に伝送することも可能だ」と語った。京華時報が26日に伝えた。
「嫦娥3号」の月面車の月面での走行に備え、地球上で最も月面に近い土地である、敦煌から200キロ離れた砂漠での実験が予定されている。葉氏は「研究者90人、発電機5台を動員して砂漠の中で実験を行う。月面車を砂漠で走らせ、月面での走行が可能かどうかを検証する。また、月面を再現した北京の室内実験場や地上でも多くの実験を行う。この実験が終われば、月面着陸と探査の実施となり、中国の月探査プロジェクト第2段階(着陸)が完了することとなる。順調に行けば2013年には月面着陸を実施できるだろう」と語る。
さらに葉氏によると、2017年には嫦娥5号が打ち上げられる。嫦娥5号はやや複雑な構造で、着陸機、上昇機、軌道機、帰還機の4つから構成される。比較的大きいため、既存の発射基地からは打ち上げられず、新たに建設される海南発射場から打上げられる。嫦娥5号は月面に穴を開けてサンプルを回収し、それを地球に持ち帰ることができる。そうなれば中国の無人月面探査の第3段階「帰還」が完了することとなる。