中国国務院新聞弁公室が12月16日に開いた記者会見において、月探査プロジェクト第2期測量・制御システムの副設計者、北京宇宙飛行制御センターチーフエンジニアの周建亮氏は、「中国は佳木斯(ジャムス)の66メートル級深宇宙観測所、喀什(カシュガル)の35メートル級深宇宙観測所を保有しており、中国の幅広い国土を十分に活用している。検証により、その測量・制御能力が6400万キロに達することが明らかになった。しかしこの2カ所の観測所は、全天候・24時間のカバーを実現しておらず、毎日8-10時間の盲点が存在する。この時間内に、中国の測量・制御ステーションは、宇宙の探査機を測量・制御できない。ゆえに中国は海外でのステーションの新設により、将来的に深宇宙測量・制御の全天候のフォローを実現することを検討している。これが実現された場合、中国の今後の深宇宙測量・制御能力は現在をはるかに上回ることになる」と語った。光明日報が伝えた。
中国電子科技集団公司が建設した佳木斯の66メートル級深宇宙観測所は、アジア最大・世界5位の観測所で、その理論上の測量・制御距離は最長4億キロに達する。これは世界の深宇宙観測が到達している最長距離で、火星探査の需要を満たせる。周氏は、「深宇宙測量・制御は探査機と地上の設備の間に通信網を構築するため、深宇宙測量・制御の距離が実際にどこまで延ばせるかについては、この両者の協力により検証する必要がある」と指摘した。嫦娥1号・2号の月周回期間、青島とカシュガルの18メートル級観測所は当時の測量・制御任務を完了し、中国の測量・制御能力が40万キロまで延長された。嫦娥2号はその後、地球から150万キロ離れたラグランジュ点に到達し、中国の測量・制御距離を延長した。2012年12月13日、チャムスとカシュガルの観測所は稼働開始したばかりで、嫦娥2号にトータティス小惑星を通過させ、中国の深宇宙測量・制御距離を700万キロまで延長した。嫦娥2号は現在、地球から6400万キロ以上離れているが、中国の深宇宙測量・制御網のコントロール下に置かれている。