2014年03月10日-03月14日
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高解像度地球観測衛星、10数基の打ち上げを計画

2014年03月12日

 国家重大科技特別プロジェクト・高解像度対地観測システム応用システムのチーフ エンジニア、中国科学院リモートセンシング・デジタル地球研究所副所長の顧行発氏はこのほど、「中国は将来的に、静止軌道に高解像度地球観測衛星を打ち上げ、解像度を50メートルにすると同時に、地球の半分を観測範囲内に収め、30分毎に画像を取得できるようにする。同計画は国家高解像度対地観測システム重大特別プロジェクト(以下、同プロジェクト)の一部で、5年内に実現される見通しだ」と記者に明かした。科技日報が伝えた。
 顧氏によると、同プロジェクトは「国家中長期科学・技術発展計画綱要(2006−2020)」の16の重大科学技術特別プロジェクトの一つで、10数基の高解像度地球観測衛星を打ち上げる計画だ。

 同プロジェクトの一基目の衛星「高分1号」が、2013年4月26日に打ち上げられた。
 顧氏は、「高分1号の解像度は10数メートルに達し、800キロの観測幅を実現した。これは世界で最も先進的な水準だ。海外の同種の衛星の解像度は、高分1号の2倍ほどとなっており、観測幅は4分の1のみだ」と指摘した。
 高分1号は高解像度を誇ると同時に、時間分解能も高い水準に達し、両者を上手く融合させている。時間分解能とは、衛星が同じエリアを重複して通過する時間の間隔で、解像度と反比例の関係を成すことが多い。顧氏は、「時間解像度について、中国は世界最先端の中解像度衛星システムを保有している。例えば高分1号は4日毎に1度観測できるが、海外の解像度が近い、もしくは解像度が劣る衛星の場合、観測周期は10数日から20数日に達することが多い」と説明した。
 顧氏はまた、「高分1号のデータは、すでに国土、農業、環境保護、減災などに利用されており、各地および産業での活用を進めている」とし、「観測周期は今後さらに縮小される。これから打ち上げられる高分シリーズの衛星は、観測周期を十数分から数分に縮小できる見通しだ」と語った。

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