煙霧問題がここ数年深刻化している。それに伴い、市民は大気汚染対策に関心を寄せ、自宅の室内環境問題にも目を光らせるようになった。初期の空気清浄機から、最近よく見かけるようになった、高級住宅屋上に備え付けられた新型空気清浄装置にいたるまで、さまざまな室内空気浄化設備が出回っている。メーカー各社も、需要に対応するため、「環境保護・健康維持」なる御旗を掲げて開発に拍車をかけており、「ハイテク」「エコ」「煙霧防止」が、さまざまな新製品の最大のセールスポイントとなっている。新京報が伝えた。
北京の分譲住宅区画・亦荘金茂悦は今月、第二期分譲が開始され、1平米あたりの分譲価格は3万8千元から4万元(約62万8千円から66万円)と予想される。この分譲住宅の最大の「売り」は、新型空気洗浄設備が屋上に完備されており、洗浄パワーや濾過率がかなり高いという点だ。また、地中熱ヒートポンプシステムや極細管(キャピラッリーチューブ)空調システムを配備、室内の適湿・適温をコントロールしている。
住宅に最先端設備を求める高級客の多くは、「新型空気清浄装置」や「PM2.5遮断システム」といった言葉に極めて敏感だ。開発・分譲担当者は、「潜在客を対象としたアンケート調査によると、PM2.5処理システムの有効性を非常に重視している人は、全体の約30%を占めた」と述べた。
○「防煙霧住宅」は、結局「見掛け倒し」か?
新型空気清浄装置を備えた「防煙霧住宅」は、大気の入れ替え・濾過によって室内の空気をクリーンに保つことができるという触れ込みだ。これは確かに、深刻な大気汚染問題を抱える北京エリアでは、願ってもない新製品といえよう。だが、この「救世主」に疑問を投げかける人もいる。住宅購入予定者の多くは、開発企業が派手に宣伝している「PM2.5遮断システム」は、「ただの売り文句に過ぎないのではないか?」「居住者の健康を守る上で、果たして本当に効果があるのか?」などと懸念している。
北京大学環境科学・工学院の謝紹東・教授は、この問題について、「いわゆる新型空気清浄装置は、PM10前後の比較的大きな粒子状物質に対する遮断性能を備えている。だが、PM2.5の遮断性能については、さらなる検証を待つ必要がある。今のところ、同装置は、『PM10には効果あり、PM2.5には効果なし』と考えておけば妥当だろう」との見方を示した。
これに対し、中国科学院大気物理研究所の王庚辰・専門員は、「濾過システムの口径は十分に小さく、新型空気洗浄装置の遮断効率はかなり高い。理論上から言えば、PM2.5も100%シャットアウトできる」と指摘した。