四川省雅ロウ江錦屏水力発電所の地下2500メートルに位置する中国錦屏地下実験室で、大型暗黒物質(ダークマター)探索実験「PandaX(パンダ計画)」の研究チームが宇宙の暗黒物質を見出そうとしている。新華社が伝えた。
PandaXは、「Particle AND Astrophysical Xenon Detector」の略称だ。上海交通大学が中心となって実施中の同実験では、大気中から抽出した不活性元素のキセノンを媒介とし、暗黒物質を探索している。上海交通大学教授、国家千人計画専門家の季向東氏は、「これまでの研究と分析によると、暗黒物質が宇宙で占めている比率は、人類が目にしている物質をはるかに上回る。我々が目にする一般的な物質は、宇宙の質量の5%しか占めていない。暗黒物質は一般的な物質と相互作用を起こさず、ゆえに探知が困難だ」と説明した。
PandaXは液体キセノン技術を採用する。キセノンを−100度まで冷却すると、キセノン原子は暗黒物質と衝突した際に発光し、自由電子を生成する。科学者はこの微弱光と自由電子を探知し、同時にこれらの信号がその他の原因によって生じたものではないことを確認しなければならない。
同実験チームが発表した情報によると、探知機中核エリアの液体キセノンの規模は、第1期の120キロ級から2期の500キロ級に拡大された。2015年のアップグレード完了後、世界で最も敏感な暗黒物質探知機になる見通しだ。