中国スパコン大手の曙光信息産業有限公司(以下、曙光公司)は28日、貴州省の黔南スパコンセンターに演算性能が約1ペタフロップスのスパコン「天眼1号」を設置し、中国が建設中の世界最大の球面電波望遠鏡(FAST)による、100億光年先の観測に協力すると発表した。新華社が伝えた。
FASTの膨大なデータの保存と処理には、スパコンによる力強いサポートが必要だ。FASTの建設を推進するため、中国科学院計算技術研究所、貴州天眼超算集団科技有限公司、曙光公司は戦略的提携協定を締結し、FASTを支援する黔南スパコンセンターを共同建設することになった。
曙光公司によると、FASTの重要な科学目標はパルサーの観測などで、「天文学的」な量のデータ保存および高効率・高精度の計算の需要が存在する。中国科学院計算技術研究所スパコン研究センター長の張佩珩氏は、「FASTの完成後、毎日の演算の需要はピーク時で0.2ペタフロップス以上に、メモリは10PBに達する」と表明した。
曙光公司の任京暘副総裁は、FASTの膨大なデータの需要について、「天眼1号の演算能力は1ペタフロップス以上に達し、先進的な分散型データ保存技術、100Gb/sの高速ネットワークを搭載する。プロジェクトの需要を十分に満たすほか、低エネルギー消費・低コスト・高密度・早期交付といった特長を持ち、大量のデータの高速伝送と分析に条件をもたらす」と説明した。