中国科学院南京地質古生物研究所が発表した情報によると、今から5億3500万年前の幼虫の化石が、陝西省寧強県で発見された。人民網が伝えた。
現代の圧倒的多数の海洋無脊椎動物の発育には幼虫の段階があるため、生物学者は、間接発育が後生動物の発育の原始的特徴と判断している。しかしながら既知の胚胎の化石はいずれも直接発育であることから、古生物学者は直接発育が後生動物の発育の原始的な特徴と判断している。
同研究所副研究員の張華僑氏、北京大学教授の董熙平氏は、寧強県で今から5億3500万年前の幼虫の化石を発見し、「寛川鋪始祖幼虫(Eolarva kuanchuanpuensis)」と命名した。この幼虫は摂食器官がなく、不摂食型もしくは卵黄栄養型だ。この幼虫は独得な構造を持ち、刺胞動物を代表する可能性がある。この研究は、間接発育が後生動物の発育の原始的特徴であることを示す、初の化石の証拠となった。
この研究の成果はこのほど、学術誌「科学通報」の英語版「Science Bulletin」に、巻頭論文として掲載された。