科学者は、茶葉が少なくとも1800年前から、西蔵(チベット)の阿里(ガリ)地区に運ばれていたことを明らかにした。当時のシルクロードの一部が、青蔵高原(チベット高原)を通過していたと推測できる。科技日報が伝えた。
茶の起源は中国だ。最も古い茶葉の実物は、北宋時代の墓から見つかっている。人々はこれまで、茶葉・絹・磁器がシルクロードを通り、中国の古都・長安から中央アジア、さらにはより遠い地域に運ばれていたと推測していた。しかし現在までシルクロードにおいて、唐代より前に新疆やチベット高原に茶葉が運ばれていたという証拠が見つかっていなかった。これまでは古代の茶葉の多くがすでに腐るか炭化しており、保存が困難であり、仮に見つかったとしても鑑定は困難とされていた。
中国科学院地質・地球研究所の呂厚遠研究員は国内外の同業者と協力し、ガリ地区の故如甲木寺遺跡、西安市の漢陽陵地下遺跡から出土した茶葉と思わしき植物の鑑定と、年代学の分析を行った。彼らは茶葉にカルシウムの4種の形態と組み合わせの特徴があることを発見した。また現代の茶葉の標準的なサンプルのクロマトグラフィー・質量スペクトルの分析により、茶葉のカフェインとテアニンという2つのマーカーを明らかにした。彼らは炭素14の年代特定により、故如甲木寺遺跡から見つかった植物が今から約1800年前の、チベット古シャンシュン王国(古象雄王国)の時代のものであることを証明した。漢陽陵から見つかった植物は今から約2100年前のもので、古文書の記述と合致する。科学者は2カ所から見つかった植物に、茶葉にしか含まれないカルシウム、テアニン、カフェインなどが含まれていることから、茶葉であると確定した。これは世界でこれまでに見つかった中で、最も古い茶葉の実物だ。