2016年01月18日-01月22日
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モーツァルト効果、中国人科学者が実験で証明

2016年01月29日

 モーツァルトの曲を聴くことで賢くなれるだろうか?中国人科学者はこのほど、ラットと人の「モーツァルト効果」の鍵が、音楽のリズムである可能性を証明した。新華社が伝えた。
 「モーツァルト効果」とは、米国人科学者のフランシス・ラウシャーが1993年に、ネイチャー誌で発表した論文の実験結果に基づく。モーツァルトの「二台のピアノのためのソナタK.448」を聴くと、人の空間認知と記憶を改善できるというのだ。
 電子科技大学生命科学・技術学院の堯徳中教授が率いる研究チームは、約100匹のラットを異なる組に分けて実験を行った。ラットにK448、反転K448(K448の音符を逆に並べた曲)、バッハの曲、反転バッハを聴かせた。研究者は音楽を聴き終えたラットの、学習・記憶と関連する神経因子の水準の変化を時間ごとに調べ、新たに生まれた神経単位に対する音楽の影響を調べた。これらの実験結果はいずれも、モーツァルト効果の存在を裏付けた。
 研究者が実験の中で、モーツァルトの音楽のリズムや音程を変えたところ、モーツァルトのリズムを残した音楽もモーツァルトの音楽と類似する効果を発揮することが分かった。音程だけを残した音楽には、明らかな効果が見られなかった。これはリズムがモーツァルト効果の鍵となる要素である可能性を示している。
 研究チームは人の実験で60人の大学生を選び、3組に分けた。同じ環境下で、1組目にはモーツァルトの曲を、2組目には反転モーツァルトを聴かせ、3組目には何も聴かせなかった。3組の大学生はその後1週間に渡り、毎日これらの曲を30分聴き、さらにペンを使う迷路遊び、折り紙、紙截ちなどのテストを行った。その結果、モーツァルトの曲を聴いた組は成績が最もよく、反転モーツァルトを聴いた組は成績が最悪だった。
 研究チームのメンバーである夏陽教授は、「モーツァルトの曲は脳に良く、新たな神経単位の増加が確認できた。反転モーツァルトを聴いた人とラットには悪影響があり、新たな神経単位が減少し、認識能力が減退した」と説明した。

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