2017中国(湖南)国際軌道交通産業博覧会・サミットファーラムは10月24日から27日にかけて、中国湖南省で開催されている。同イベントにおいて、権威のある専門家たちはリニア・モーターカーが中国でどこまで発展できるのか、スーパー高速鉄道の研究に携わり続けるべきなのか、中国の高速鉄道がどのようにして障壁を取り除いて欧州市場の進出に成功したのかといった話題に注目し、中国鉄道の将来を分析している。
▽リーダーが代価を支払うのは当たり前のこと
中国の高速鉄道「復興号」は2012年から研究開発を始め、2014年に設計試案が完成、2015年にラインオフし、今年、正式にデビューした。「復興号」は中国の高速鉄道の技術が完全な自主化、標準化とシリーズ化を実現し、鉄道の技術及び装備が世界を率いるトップレベルに達したことを象徴している。
中国鉄道部の元部長であり、中国工程院の傅志寰・院士は中国の鉄道はすでに大きな飛躍を遂げたとしている。かつての輸入、消化、吸収から現在の独自のイノベーションに至るまで、中国は世界軌道交通製造業のトップに入るようになった。先頭に立つ中国はこれから先、独自に道を切り開いていかなければならない。正しい道にたどり着く可能性もあれば、間違った道に行き着く可能性もある。これはリーダーになるために支払うべき代価だといえる。
▽世界に中国標準を理解させるように努める
中国が運営する高速鉄道ネットワークが世界の65%を占めているにもかかわらず、高速鉄道に関する規則を制定する権利がない。中国の高速鉄道の海外進出を成功させるために、この障壁を乗り越えないといけない。
中国鉄道部の元副部長であり、中国工程院の孫永福・院士は、「世界に中国標準を理解させるように、中国は国際鉄道に関する規則や標準の制定・改正に積極的に参加する一方、中国標準を世界に進出させ、国際基準に導入させ、中国標準の影響力を拡大するべきだ」との見方を示した。
中国中車股フン有限公司(略称:CRRC、フンは人べんに分)のデータによると、同社の製品は世界七大州の102の国や地域に活用されており、鉄道を持つ国や地域の83%は同社の製品を使用している。CRRCはすでに世界トップレベルの製品シリーズを構築したとしている。
▽速度向上と環境保護を両立させる
将来の交通は一体どのようになるのかについて、専門家たちは交通と環境の調和を取るという点で一致している。
傅氏は、「列車の時速を500kmまでに向上させようと言う人もいるが、それは比較的難しいと思う。なぜなら列車の速度向上は騒音やエネルギー消費などの問題をもたらすからだ。こうした問題を解決せずに盲目的に速度向上を図るのは、慎重さに欠けた考えだ」と語った。
傅氏はさらに、「将来の交通の発展トレンドは、速度向上を目指すだけでなく、環境にやさしい、経済的な交通でもあるべきだ。これは先進国が軌道交通を発展させる上での共通目標でもある」と強調した。
軌道交通の装備開発に50年あまり携わってきた中国工程院の劉友梅・院士は、未来の民用高速鉄道は速度向上を求めているのでなく、エコ・スマート化に向かって進んでいると考えている。