中国国土資源部(省)は16日、国務院が正式にメタンハイドレート(俗称は「燃える氷」)を新たな鉱種として認定したと発表した。メタンハイドレートは中国で173種目の鉱種となった。これにより、メタンハイドレートの産業化発展が加速すると期待されている。中国新聞網が伝えた。
メタンハイドレートとは、メタンを中心とする炭化水素ガスと水によって形成される氷のような結晶状の化合物で、多くは固形などの形式により海底の沈積物や、陸上の凍土エリアの岩の裂け目や穴などに留められている。メタンハイドレートから抽出した天然ガスの用途は通常のガスと同じで、主に民間・工業用燃料、化学工業、発電などとなっている。
国土資源部鉱産資源備蓄司の鞠建華司長は同日の記者会見で「中国の海域には大量のメタンハイドレートが存在し、重要な戦略的備蓄資源となっている。その開発・利用は国のエネルギー資源保護に新たな方向をもたらし、油ガス資源の対外依存度を引き下げる。またメタンハイドレートが新たな鉱種になったことで、エネルギー生産・消費構造の改善、調査・開発技術の革新を促進し、かつ関連産業の発展をけん引する」と説明した。
新鉱種に認定されたことで、メタンハイドレートの産業化も加速する見通しだ。鞠氏は「新鉱種に指定されたことで、その調査・開発を統一的に管理しやすくなり、調査・開発の産業化が促進される。例えばメタンハイドレートの鉱業権市場を開放し、その調査・開発・投資主体の多元化を促し、国内外の資金力と技術を持つ各種投資主体を調査・開発に招くことで、市場の活力を最大限に引き出すことができる」と話した。
中国は今年5月、海域でのメタンハイドレート試験採掘に初成功した。中国地質調査局の王昆副局長は「7月9日に行った井閉鎖まで、今回の試験採掘は安定的に60日連続でガスを生産し、計30万9000立方メートルを生産した。持続的な生産の最長期間、生産量最大、安定的な気流、環境安全などの多くの重大な進展を実現した。しかし試験採掘の成功は第一歩に過ぎない。メタンハイドレートの産業化にはまだ生産量拡大、コスト削減、環境保護など数多くの課題がある」と指摘した。
王氏は今後について、▽メタンハイドレート資源調査を強化し、埋蔵量を全面的に把握する▽各種天然ガスの試験採掘を実施し、中国の資源的特徴に合致する開発技術を形成する▽環境保護を重視する――と説明した。王氏によると、将来的にメタンハイドレート調査・開発先導試験区を2-3カ所建設し、調査・試験採掘、理論・技術、装備品、関連政策の試行を先に実施し、資源調査・開発模範基地を建設することになる。