中国科学院大気物理研究所が実施する「CO2を追跡――北京・天津・河北地区冬季CO2濃度強化観測」が6日、終了した。今回の観測では自動車によるCO2移動観測を実現し、さらに中国初の車両移動観測と炭素衛星の「協力」による天地立体型観測を完了した。科技日報が伝えた。
CO2移動観測は昨年12月29日午前に正式に始まった。観測車両に同乗し、研究チームと共に河北省雄安での観測を取材した。小型のCO2観測装置はフロントガラスの底部に取り付けられており、インターネットを通じて観測データをリアルタイムで同研究所のデータ観測拠点に伝送できる。観測車両は国道、郷村級道路、高速道路を走行し、都市部と農村部を訪れ、GPSにより通過地域のCO2濃度を正確に記録していった。
プロジェクトチームは今回、8本の路線で移動観測活動を行った。これには北京市内、北京市門頭溝区霊山、天津市、承徳市、張家口市、唐山市、保定市、雄安新区の8路線となっている。
プロジェクト責任者で同研究所研究員の曾寧氏によると、今回の移動観測では中国が打ち上げた炭素衛星による観測も利用された。例えば先月29日に北京市内で行われた移動観測では、炭素衛星が午後1時30分頃にちょうど北京上空を通過した。炭素衛星は標的モードを採用し、傾斜角を適時調整し、地上の車両移動観測エリアを重点的に観測した。曾寧氏は、「この2つのデータを結びつけることで、観測がより正確になる」とした。
科学者は今回の観測で、北京・天津・河北地区のより全面的なCO2濃度データを入手した。これは炭素排出源を正確に特定し、合理的に排出削減を計画するため技術サポートを提供することとなる。また独立した信頼性の高いCO2第3者観測データの提供に向け、有益な模索を行ったことになる。