中国科学院は今年、第3回深淵科学観測を実施し、4500メートル級有人潜水艇「深海勇士号」が試験的運行を開始するなど、深海を舞台に「大作」が次々と上演されることになる。科技日報が伝えた。
南中国海は古代中国の船舶が南下するため必ず通過する航路だった。漢代には南中国海を経由し、インド洋に至る「海上シルクロード」を切り開き、宋・元代の海上貿易は興隆を極めた。しかし海の嵐、海中の暗礁により、貨物を満載し世界各地を行き来した船の多くが、貨物と共に海底に沈没し、人類にとって貴重な水中文化遺産となっている。
水中考古調査により、多くの沈没船が水面にその姿を現そうとしている。有人潜水艇は、水中考古調査の範囲を深海に向け拡大させ、海底に深く眠る歴史を呼び覚ます。
第12次五カ年計画863計画海洋技術分野「4500メートル級有人潜水艇総体集積」課題は昨年末、中国科学技術部(省)による検収に合格し、今年より試験的応用を開始する。
同潜水艇の所属部門である中国科学院深海科学・工学研究所の今回の航行計画を担当する関係者は、「計画によると、同潜水艇は今年、南中国海と南西インド洋で約50回の潜水作業を行う。これには南中国海における6回の考古調査潜水が含まれる。国産化及び高効率応用により、同潜水艇の使用コストが大幅に削減される。将来的には米国の『アルビン』と肩を並べ、国際市場における競争力を持つことになる」としている。