中国海油天津分公司によると、中国最大の浅喫水FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)「海洋石油117」は、2019年6月に海水淡水化装置の使用開始から、余熱を利用して累計20万トン以上の淡水を生成し、設備のグリーン低炭素発展を効果的に促している。中国新聞網が伝えた。
「海洋石油117」は中国が初めて独自に設計・建造した30万トン級FPSOであり、現在、中国の水深200メートル以下の作業エリアで稼働している中で負荷容量が最大のFPSOとなっている。設備の生産と人員の日常生活に使われる淡水の需要を満たすため、同設備には海水淡水化装置3台が設置されている。これらの装置は海水真空フラッシュ蒸留技術を採用。ボイラー排ガスの廃熱を熱源とし、海水を蒸発させ冷却して淡水にする。毎日最大200トンの淡水を生成し、その需要を満たしている。
熱回収により淡水を生成する手法は、「海洋石油117」に信頼性の高い淡水資源を提供し、設備と人員の需要を満たすだけでなく、環境保護と経済面でも高い効果をもたらしている。統計によると、熱回収による淡水生成により毎年約420トンの標準炭のエネルギー消費を削減するとともに、約280トンの炭素排出が削減できる。廃熱を効率的に利用したこの生産方式は、海上油田のグリーンで持続可能な開発における経験を蓄積している。