2023年09月11日-09月15日
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杭州アジア大会を支えるネットワーク技術

2023年09月13日

 第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)が23日、中国浙江省杭州市で開幕する。同大会では5G技術のアップグレードと高度化が進んでおり、インターネット体験がさらに最適化される。5Gやモノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、人工知能(AI)などの技術の融合とイノベーションが、大会に華やかな彩りを添える。経済参考報が伝えた。

 バドミントンの会場となる杭州浜江体育館では、5G-Advanced(別名5G-Aもしくは5.5G)ネットワークの試験と検証が行われている。スタッフが通信速度測定ボタンを押すと、モニターにはピーク時の通信速度が25Gbps以上と表示された。

 アジア競技大会サービスサポート弁公室常務副主任で、杭州電信総経理助理の張堅氏によると、5G-Aネットワークはピークの通信速度、遅延、接続規模の面で5Gの約10倍の能力を備えており、万物のインターネット(IoE)をネットワークの面でサポートする。

 大規模イベントで高画質ライブ配信などが行われるようになったことで、スポーツ会場ではより大きなネットワーク容量が求められている。張氏は「5G-Aはシームレスな超高速ネットワークサービスを提供できる。数十本の8K高画質ライブ配信、VR観戦、会場内外の大量の動画のやり取りの同時進行もサポートできる」と語った。

 中国電信浙江公司クラウドネットワーク運営部マネージャー兼アジア競技大会弁公室主任の宋波氏は「限界のストレステストにより、5G携帯電話端末400台の2平方メートル範囲内での測定を行った結果、音声やリアルタイム音声・動画チャット、長時間動画ダウンロードなど、さまざまな典型的なサービスがスムーズに体験できた。これに基づき、メインスタジアムの満員時には10万人レベルの同時並行ネットワークサポートが可能であることが推算できた」と述べた。

「スマート」は杭州アジア競技大会の開催理念の一つだ。スマート観戦、5G新通話、スマート会場などが導入され、大会の「スマート体験」を豊かにする。

 宋氏は「自宅でバレーボールの試合を見る場合、視聴者は好きなアングルを選択し、サーブとレシーブの瞬間を体感できる。また審判の視角を選択し、選手の攻防や駆け引きを見ることもできる。5Gと4K/8K、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を融合した技術の応用により、アジア大会のインタラクティブで多次元な観戦が体験できる」と語った。

 
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